カンボジア・タイ国境地帯、中国人が地雷被害・両国に見解の相違

カンボジア・タイ国境地帯、中国人が地雷被害・両国に見解の相違
2025年12月02日(火)00時00分 公開
カンボジア・タイ国境地帯、中国人が地雷被害・両国に見解の相違

<写真:khmertimeskh.com>

 

11月30日未明、カンボジアとタイの国境地帯において、中国人男性が地雷を踏み重傷を負う事故が発生した。

 

事故の発生地点や原因を巡って、両国の見解に食い違いが生じており、外交的な緊張の高まりも懸念されている。

 

事故は午前3時20分頃、カンボジア・バンテイメンチェイ州オーチュロウ郡内、国境標識48番と49番の間で発生した。

 

カンボジア国防省の発表によれば、被害者は過去の紛争で埋設された対人地雷によって左足を失った。

 

現場は地雷原であり、救助に向かったカンボジア軍は約200mの地雷除去を余儀なくされたが、先に現地に到着したタイ軍が男性を搬送した。

 

被害者は中国国籍のシ・ジングイ氏で、カンボジア側の出入国記録には同氏の入国履歴が確認されていない。

 

現場周辺にタイの舗装道路があることや、同氏がタイ通貨を所持していた点などから、カンボジア当局はタイ側からの不法越境の可能性を示唆している。

 

これに対し、タイ当局は被害者がカンボジア側から不法に入国したと主張している。

 

事故現場については、タイ東部サケーオ県内に位置し、依然として地雷が残る旧戦域であると説明した。

 

また、タイ陸軍報道官ウィンタィ少将は、本件がサイバー詐欺組織との関係を示唆する情報があることを明らかにした。

 

両国が共同で進めてきた人道的地雷除去事業は、11月10日に中断されており、今回の事故はその影響を受けた形となった。

 

タイ側はカンボジアの協力姿勢に問題があると批判し、今後は国際機関に調査結果を提出する意向を示している。

 

一方、カンボジア側は地雷が新たに埋設されたとの指摘を強く否定し、「不正確かつ政治的動機に基づく主張」と反発した。

 

独立した第三者による共同調査の実施を求めるとともに、カンボジアはオタワ条約の締約国として20年以上にわたり新たな地雷の埋設を行っていないと強調した。

 

在タイ中国大使館は、被害者の治療および支援に向けて現地当局と連携していると発表し、現在男性の容体は安定していると報告されている。

 

今回の地雷事故は、両国の国境管理体制と過去の戦争遺産処理のあり方に再び焦点を当てるものであり、責任の所在を巡る議論が今後の外交関係に影響を与える可能性がある。

 

 

 

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