政府、遺伝子技術による食用牛の品種改良普及を推進

政府、遺伝子技術による食用牛の品種改良普及を推進
2017年06月30日 00時00分 公開
政府、遺伝子技術による食用牛の品種改良普及を推進

高級品種の精液を使った人工授精で生まれた牛は、サイズが大きい上に肉質も良く、高い価値があると、首都プノンペンから50キロ南にあるバティ州の獣医師、チャンティー・チン氏は述べた。バティ州は動物の人工授精研究のプロジェクト中心地である。

本来この地域の牛は歴史的に家畜として飼育されていたが、食肉類としてではなく農作業用牛として飼育されていた。近年、農業の多くが機械化されたことで、食肉としての需要が伸びているが、食肉としての品質は決して良くはない。販売価格も依然低いままだ。

ドーンという地域にある小規模農家で飼育されている4頭の牛のうち、2頭は人工授精で生まれた牛であり、すでに成熟しているものは母親よりも3倍以上大きい。チリ氏によると、その牛は400万リエル(1,000米ドル)の価値があり、通常の地元の品種の2倍の価格を期待できるという。

「すでにいくつかのトレーダーは関心を示しているが、完全に成熟するまでは売りに出さない。」と同氏は述べた。

「高品種の牛の売値は、近くの都市の日雇労働者である夫の年収と同じだ。」

現在、様々な遺伝子組み換え技術の発展を進める途上国が増える中、カンボジアも遺伝子技術の発展に力を入れている国の一つだ。



優れた品種の精液の人工授精で生まれた牛は、より大きく成長するより良い子牛を出産する。遺伝子選択により、高品質の牛を生み出す一方、地元の環境への適応性を保持し、地方の病気に対する耐性を持続させるような方法での地元牛の品種改良は、生産性を持続的に向上させる上で極めて重要である。

カンボジア国家動物衛生生産研究所の研究チームは、IAEAの技術協力プログラムの下でさまざまな形の支援を受けている。「カンボジアは牛の人工授精に成功したが、牛の精液を採取して貯蔵し、遺伝子操作を行う技術まではなかった。」とIAEAのボニカ・ノウ副局長は述べている。 

研究チームは、IAEAの訓練プログラムへの参加や専門家との協議を通じて、核関連技術などのを学んだ。チームはその品質を維持しつつ、実験を行い、精液を収集して貯蔵するための設備を設けた。研究所のスタッフ7人は、人工授精技術と雄牛の精液処理について、さまざまな国で訓練を受けている。



しかし、プロジェクトの規模を拡大し、より多くの農家に波及させるためには、まだ多くの課題がある。

 IAEAは、精液の貯蔵と輸送のために、精液を凍結するのに必要な液体窒素を生産するための設備を提供することを約束した。

農林水産省は、牛の飼育施設の設置とスタッフへの教育を通じて、24の町や州へ人工授精プログラムの拡大を検討している。 「IAEAの遺伝子技術プロジェクトの成果に基づいて、同省は我々のプログラムを展開することを約束している」とIAEAのノウ氏は述べた。

「これは、競争力のある牛肉産業を育てるための重要な一歩となるだろう」

また、バティ州の獣医であるチン氏は、農業従事者に人工授精の利点を伝えるための啓発活動を計画している。
「この活動は、人工授精技術普及のための鍵である。」

飼育施設の近くにいるにもかかわらず、牛の人工授精を依頼している農家はわずか25軒であるという。 農家の間ではこのような新技術を使用することには抵抗があるようだ



同国の300万頭の牛の多くは小規模農家によって飼育されている。繁殖技術の普及のためには、特定の地域かつ一定期間に集中して人工授精技術の牛が飼育される必要がある。 

「一匹の牛の発情期のタイミングのために、何時間もかかって精液を輸送するのは効率が悪い。」とノウ氏は説明する。

次のステップとして、彼は牛の発情サイクルを調節するホルモンを使用する技術を開発しようとしている。

「我々は前進したが、まだ課題は山積みだ。」と彼は語った。

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