畜産農家が苦境に カンボジアの食肉輸入が背景に

畜産農家が苦境に カンボジアの食肉輸入が背景に
2017年02月23日 00時00分 公開
畜産農家が苦境に カンボジアの食肉輸入が背景に


昨日政府関係者は、昨年のカンボジアでの肉の輸入額は1億ドルを超えたと発表した。さらに地元製造業者の国内供給量は減少し、食肉業界での隔たりは広がりを見せた。
農業省のロー・リークスメイ報道官は、昨年カンボジアは28万トンの供給量を外国からの輸入に頼ったことは国内生産の可能性を損なうものだったと述べた。
カンボジアは消費者への肉の供給やその需要を満たすためにかなりの額を費やしているという。もしも国内供給を自国でまかなうことができるならば、地元の生産業者は多くの収益を得られるだろう。
農業省の統計によると、バッファローの国内供給量は昨年52万頭で2015年と比較すると6%の減少となったという。また、牛の供給量は290万頭で3%の減少を見せた一方で、豚の供給量は240万頭と2.9%の増加を見せた。
しかしながら、肉の国内需要は自国で十分まかなえるにも関わらず、輸入品が需要の大部分を占めているため、昨年130万頭の家畜が屠殺されたと加えて述べた。
地元の供給業者の生産量は限られているという。我々は自由経済市場であり、というのも消費者のコストを維持していくため、企業は輸入に頼らなければならないという。
シークスメイ氏は農業省のプロジェクトで来年は肉の消費量が29万トン、2020年までには30万トンに達するだろうと語った。
国内生産と輸入品の差は広がり続けるだろう。しかしながら政府は自国の生産者の生産能力を増加させようようと試みているという。
また同氏は加えて、生産者が輸入の増加に歯止めをかけ、その問題に対処するため、産業の供給プロセスなどの弱みを認識する必要があるという。
カンボジア豚肉生産者協会のスラン・ポエイ代表は、地元の豚肉産業の市場占有率は現在50%から60%で、1日5000頭のうち3000頭が売却されると語る。しかしながら市場では政府が見落とした衛生面や健康に悪い低品質の輸入豚の安さに悩まされているという。
「市場の需要の大部分を満たすことができるが、輸入品により収入が減少するため、多くの製造業者は息詰まらせている。政府は我々の考えを考慮せず、国内市場の価格は下がり続けていくばかりだ」と語る。
SLN肉供給株式会社のトーラ・チア代表は、シハヌークビルの近くにある2200万ドルで建設された屠殺場を運営しており、オーストラリアから牛を輸入している。彼は国内生産量がなかなか増加しない理由は、屠殺場をゼロから建設しなければならないからだという。
カンボジアは常に収穫高だけに注目しており、問題の根幹である産業自体には欠陥している。産業が改善されれば生産者は手立てを講じることもでき、供給プロセスも拡大し市場に国内産のものが供給されるようになるだろうという。
しかし、輸入品の供給が安定していく中で、投資に多くの費用がかかるだろうと述べている。手作業で屠殺している小さな運営業者をどう拡大していけばよいのかと疑問を投げかけている。
カンボジアの小規模農場や個人事業主をどうサポートしていくのか、どうやって市場調査を行なっていくのかを考えていく必要がある。
また、政府のデータによると、カンボジアは豚肉や牛肉、鶏肉の輸入には1億ドル、動物飼料で1億3,500万ドル、動物用ワクチンに関連した製品で1,500万ドル費やしているという。
 
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