クメール人を侮辱、大学生を起訴

クメール人を侮辱、大学生を起訴
2019年06月05日 00時00分 公開
クメール人を侮辱、大学生を起訴

<Yin Meng被告が、事情聴取を終えプノンペン地方裁判所から出てくる様子(KT/Pann Rachanaより)>


4日、プノンペン地方裁判所で、2月にプノンペンで男の集団から暴力を受け、全てのクメール人を侮辱する動画を作成し、フェイスブック上に投稿した23歳の女装家の裁判が行われた。


Mao Sina裁判官は、今回起訴されたのは、プノンペン市内で法学を専攻する大学3年生のYin Heng被告だと明らかにした。同被告はPreah Vihear州Rovieng地区出身だ。


同裁判官によると、被告は差別を扇動した罪に問われるという。有罪判決が下れば、3年以下の懲役と1600ドル(約18万円)の罰金の両方が課せられる。


同裁判官は、3月5日、Heng被告がDaun Penh区の自宅で内務省傘下の反サイバー犯罪部門に逮捕されたと述べた。


同裁判官によると、クメール人を侮辱する内容が複数含まれているフェイスブックの投稿を他のユーザーから批判され、被告はSar Kheng内務大臣の要請により逮捕されたという。


5日、裁判所でも公開された動画内には、Heng被告が暴力を受けたことに抗議する様子が捉えられていたという。

 

動画では「1人でバイクを運転している際、3人乗りのバイクが自分の近くにやってきて、そのうちの1人が頭を殴ってきた。なぜ殴られたのか理解ができない。自分は悪いことをしたのか? 落ち着こうとしたが、怒りは抑えられなかった。頭には大きなこぶができてしまった。自分に被害を加えたのは、間違いなくクメールの血を継ぐクメール人だ。クメール人は動物のようだ。なぜ自分を殴ったのか? 自分は何か悪いことをしたのか? クメール人は他人ではなく、自分自身が原因で破滅するだろう。クメール王朝が領地を失ったことにも当てはまる。自ら火をつけ、破滅するだろう。クメール王朝は領地を失ったほうがましだ」と被告は述べている。


動画投稿をした次の日、他のフェイスブックユーザーは被告を批判し、被告はカンボジア国民に向けた謝罪の動画を投稿したという。


謝罪の動画では「クメール語でカンボジアやカンボジア人を批判する自分は間違っていた。ただ自分が殴られたことに対する抑えられない怒りを表現したかっただけだ」と被告は述べた。


4日に行われた裁判で、被告はプノンペンの王立法律経済大学に通う大学3年生であり、役者でもあることが明らかになった。


2月4日午後7時、被告は、友人をプノンペン国際空港へ送り、ロシア通りからChey ChumneasコミューンのDaun Penh地区にある自宅へ向かいバイクを運転していた。


被告は帰宅途中、Toek Thlaコミューンの道路で3人の男に暴行を受けた。


被告は、暴力を受けたことに腹を立て、頭にあるこぶを見せながら王宮を背景にクメール人を侮辱するような発言を動画にし投稿したと述べた。


被告は「自分がカンボジア国民を侮辱するのは間違っていることに気がついた。父はベトナム人のハーフだが、自分はカンボジアで生まれ育った。今回の動画でクメール人を軽蔑する発言をしたつもりはなかった。動画を撮影した際、とても腹が立っていたが、今は後悔している」と続けた。

 

被告は減刑を懇願し、大学へ通うことは認められたという。


Kuch Kimlong検察官は裁判で、被告の発言はクメール人や全てのカンボジア国民、国王の名誉を傷つけたと述べ、有罪判決を訴えた。


判決は6月20日に下される。

 

出典:KHMER TIMES

 

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