農業の機械化が活発も生産コストが未だ課題

農業の機械化が活発も生産コストが未だ課題
2017年01月22日 00時00分 公開
農業の機械化が活発も生産コストが未だ課題


カンボジア国内では昨年に比べて農業の機械化が著しく伸びていると、農林水産省が発表した。農林水産省が発表した報告書によると農業機械の使用率は2015年が83%だったのに対し、2016年は91%まで上昇していた。対して、耕作に牛を使用している農家は8.8%にとどまったと明らかにされた。

カンボジア農業調査開発局の部長であるオゥク・マカラ氏は、コスト削減や時間の有効活用に貢献するとして、トラクターや他の農業機械の使用率の上昇を良い兆候だと見ている。農家は余った時間を使って、他の穀物や水田を利用して輪作を行うことが出来る。

マカラ氏は「田舎に住む多くの人々は出稼ぎや求職のために隣国へ移住してしまうため、農業において、カンボジアは労働力が不足しており、牛よりも機械を使用した農業が好ましい。」と話した。また、「農業機械を導入するより労働者を雇用する方がコストがかかる。特に水田でのコメの収穫の時期はそうだ。なぜなら機械を投じれば1ヘクタール当たりのコストは$100であるのに対し、人を雇った場合、1ヘクタール当たりの人件費は一人$150になるからだ。」とコメントした。

マカラ氏は、もし農業機械をうまく使うことが出来たら、機械化は農家には多くの便益をもたらすという。コスト減、時間短縮、タスクの効率化、市場での競争力強化が見込めると同氏は話している。政策研究センター部長のチャン・ソファエル氏は、「労働力が不足している時でも農作業の効率性を高めてくれるため、コンバインやトラクターといった機械の使用率増加は良いことである。」とコメントしている。

過去数年、農業に従事する労働力はそれほどおらず、建設業やサービス業に多くの人が従事するように移行していった。農業よりも稼ぎの良い働き口を求めてタイなどの隣国へ移住していった住民も中にはいる。3千人を超えるカンボジア農家と協働するアムル・ライス社(カンボジア)のCEOであるソン・サラン氏は、「先進国の農業のトレンドとして、トラクターやコンバインなどを使用した機械化農業への移行が挙げられる。なので、カンボジアにおいて、こうした機械化が起きているのは良いことだ。」と述べた。

しかし、カンボジアでは牛を飼うよりも機械のメンテナンス費用や燃料費は高いため、機械化によって利益を得られるのは難しいと言われている。サラン氏は「我々は農家に対し、農業用機械や穀物の育成方法、効率性を高める工夫など、形を変えながら試してほしいと望んでいる。そして、農業分野で利益が得られることを願っている。」と語った。「多くのお金を投資したからと言って、機械化するだけではそんなに多くの利益が望めるわけではない。機械化に移行しても割高な生産コストとの戦いは続く。」と付け加えた。

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