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7日、フンセン首相がミャンマーの首都ネピドーを訪問し、ミン・アウン・フライン国軍総司令官と会談した。
一方で、今回の訪問については軍政に抗議する市民や人権団体の間で反発や懸念が広がっていた。
昨年2月にクーデターが発生してからミャンマーを訪問する外国の首脳はフンセン首相が初めて。
フンセン首相は空港で花束を渡されるなどして歓迎を受けた後、新型コロナウイルスの感染対策の支援としてマスク3万枚や人工呼吸器などの医療品をミャンマー側へ供与した。
会談後の発表によると、同総司令官は、ミャンマー情勢の平和的な解決を目指すASEAN特使への支援を約束した他、少数民族の武装勢力との停戦を今年末まで延長すると表明し、和平交渉にASEAN特使が参加することを歓迎するとしているという。
ASEANでは、ミャンマー国内での政治的混乱に歯止めがかかっていないことなどから、ミャンマー軍トップの首脳会議への出席を認めていない。
これに反発した軍も代理を出席させていないことから、首脳会議でのミャンマーの欠席が常態化しつつある状況だ。
そんな中、フンセン首相は今年のASEAN議長国として、ミャンマーの首脳会議への復帰を目指す考えだ。
しかし、国軍はこれまでにも特使への支援や停戦を表明する一方で事態の改善には後ろ向きな姿勢をとり続けていることから、今回もどこまで改善する意思があるのかは見極めが難しい内容に止まっている。
訪問以前、フンセン首相は今回の訪問の成果については早期に結論付けないよう呼びかけ、結果が実りあるものであればミャンマーに平和をもたらし、ミャンマー国民はASEAN加盟国の努力を認めるだろうと強調していた。
今回に訪問について、ASEAN加盟国や人権団体から懸念の声が上がり、インドネシアのジョコ大統領は5日に行われた電話会談でASEAN加盟国や国軍が合意した「5つのコンセンサス」について履行に進展がなければ、会議への出席は非政治的な代表にとどめるべきだと国軍よりの姿勢を取らないよう釘を刺していた。
また、国際人権団体「アムネスティ・インターナショナル」は6日の声明で加盟国の結束を乱し、誤ったメッセージを送ると懸念を表明していたという。
さらに、訪問前にはヤンゴンにあるカンボジア大使館周辺では爆発騒ぎが起きたほか、軍政に抗議する市民の間では、「反フンセン」デモが行われ、フンセン首相の写真にバツを書いたり、踏みつけたりする様子がSNSや独立系メディアに掲載されていた。
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