カンボジアの英語教育、教師の待遇改善が課題

カンボジアの英語教育、教師の待遇改善が課題
2023年11月10日 10時16分 公開
カンボジアの英語教育、教師の待遇改善が課題

<写真:Khmer Times>

 

ASEANの公用語およびビジネス言語としての英語の重要性から、カンボジアの英語教育は改善が求められている。

 

カンボジア教育フォーラム(CEF)の研究論文によれば、若者が新たな成長の活路を見出すにはより高い英語力が不可欠である。

 

Vibol Boy氏(カンダル州地域教員研修センター)とTineke Water氏(カンボジア工科大学)の共著論文『カンボジアの高校における第二言語としての英語教育の課題』では、行政による英語教育と教師の質への着目の必要性が訴えられている。

 

同論文ではカンダル州の公立高校4校に勤務する教師にインタビューを行い、学習環境や教師の属性が調査された。

 

その結果、教育の課題として、教師への資金援助や学習環境などのリソースの不足が浮き彫りになった。

 

同国の教師は他の職業と比較して給与が低いため、第二、時には第三の仕事をする必要があり、英語教育の質の低下をもたらしている。

 

教師の質に関しては、教員研修の不十分さや教師の英語能力の低さも課題として挙げられる。

 

教科書などの教材は個々の教師の嗜好に基づいて選ばれ、品質が標準化されていない。

 

教授方法は、生徒が英語のクメール語翻訳を通じて文法を詳細に学ぶ「文法翻訳法」が依然として主流であり、学生が英語を実践する機会は限られている。

 

プノンペンにある英語圏の国の大使館や国際機関は、同国の英語教育の改善のために政府機関と協力している。

 

米国大使館のChad Roedemeier報道官は、同大使館が開発した英語アクセス奨学金プログラムを通じて、1600人以上の学生が英語力とリーダーシップを向上させたと語った。

 

米国への留学生は年々増加しており、2019〜2020年度には685人の学生が留学した。

 

オーストラリア大使館の報道官も、同国は他の英語圏の国々とともに教育関係の強化に尽力しており、すべての教師が提供する英語教育を高く評価していると述べた。
 

 

 

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