高所得ビジョン達成への道、5つの首相提言

高所得ビジョン達成への道、5つの首相提言
2024年10月16日(水)00時00分 公開
高所得ビジョン達成への道、5つの首相提言

<写真:Khmer Times>

 

フン・マネット首相は、カンボジアが2050年までに高所得国となるというビジョンの実現に向けた5つの提言を発表した。これらの提言は、カンボジアの経済および貿易の発展を促進することを目的としている。

 

同首相はプノンペンのソカ・プノンペン・ホテルで行われたカンボジアの世界貿易機関(WTO)加盟20周年記念式典にてこのビジョンを明らかにした。

 

第1の提言として、政府はガーメントや米の輸出に依存しない経済の多角化を進める方針を示した。これには、旅行関連製品、電子機器、太陽光パネル、自転車、ゴム、カシューナッツ、バナナ、マンゴーなどの農産物の輸出強化が含まれる。

 

第2に、政府は米、トウモロコシ、大豆、コショウ、キャッサバ、カシューナッツ、ゴム、パイリンマンゴー、水産養殖、家畜、パームオイル製品などの国内生産者および輸出業者に対する税制優遇措置を継続する。この政策により、国内市場向けの生産増強および輸出促進が期待され、農家や投資家に対してより大きな付加価値をもたらすことが目指されている。

 

第3に、「古い市場を強化し、新しい市場を拡大する」戦略が進行中である。カンボジアは、カンボジア・中国、カンボジア・韓国、カンボジア・アラブ首長国連邦(UAE)との自由貿易協定(FTA)や、地域的包括的経済連携協定(RCEP)の推進を図るほか、今後もさらなるFTAの締結を模索し、新たな輸出市場と貿易相手国の開拓を進める方針である。

 

第4に、政府は高付加価値およびグリーン産業における海外直接投資(FDI)を誘致するため、地元の中小企業の発展を奨励している。加工業の強化、技術移転や研究開発へのアクセス拡大が含まれており、また、経済成長や貿易を支援するインフラ投資も行われている。具体的には、カンポット多目的港の正式な開港や、フナン・テチョ運河の建設開始が挙げられ、これにより輸送時間やコストの削減が期待される。

 

最後に、政府はデジタル変革および電子商取引の推進に注力している。企業に対して技術インキュベーターの設立を奨励し、自動化システムの導入や公共サービスの効率化を図っている。これにより、ビジネス環境が改善され、質の向上、透明性、効率性、投資家の信頼向上が目指される。

 

さらに、政府は2029年の最貧国(LDC)からの卒業後を見据えた戦略を策定しており、貿易優遇措置や国際援助の喪失による影響を最小限に抑え、持続可能な発展を確保するための取り組みを進めている。

 

 

 

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