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<写真:Khmer Times>
カンボジアの電力供給が急成長しており、1998年に150メガワットであった同国の発電容量が2024年には4814メガワットへと32倍に拡大した。
ココン州で13億4000万ドル規模の液化天然ガス(LNG)火力発電所の起工式が開催され、鉱業エネルギー省のキオ・ロタナック大臣がカンボジアにおける電力供給の成長を強調した。同発電所はカンボジア国内最大の発電施設となる見込みである。
ロタナック大臣は「電力セクターはカンボジア政府が重点的に推進する分野の1つである。電力は国民の日常生活に不可欠であるだけではなく、産業、手工業、貿易、農業、観光など、経済のあらゆる分野の発展を支える基盤でもある」と述べた。
また、同大臣は2008年に始まった国内の送電網および変電設備の整備が大幅に進展し、総延長3891kmの送電網と70カ所の変電所が整備されたことを指摘した。
この拡大によってカンボジア国内の25の州都および全州を網羅する国家電力網が確立された。加えて、中低圧送電線網は総延長9万7063kmに拡大し、全国の村の99.15%に電力供給が可能となり、全世帯の96.51%にあたる359万世帯に電力が供給されている。
政府は今後も電力供給能力と品質の向上を目指し、国家電力網の拡大、発電能力の強化、送電および配電システムの改善に注力する方針である。特に電力供給が不十分な地域に対しては、電力インフラの整備を進め、全国的な電力アクセスの拡充を図る。
また、政府は国営電力会社エレクトリシテ・デュ・カンボジ(EDC)による年間1億ドルを超える補助金を通じて、全国的な電力料金の統一を実施している。この施策によって低所得者層、農家、重要なサービス提供者に対して、より手頃な電力料金が提供されている。
新たな料金体系では低所得世帯に対する電力料金が、1kWh時あたり380リエル、480リエル、610リエルに設定されている。また、農業利用においては、午後9時から午前7時までの時間帯で、1kWhあたり480リエルが適用される。さらに、学校、病院、農村保健センターには610リエルの料金が提供されている。
産業および農業の消費者に対する一時的な割引も導入されており、月間平均使用量を超えるエネルギー消費に対して、月曜から土曜の午前7時から午後9時までの使用分に10%の割引が適用され、午後9時から午前7時までおよび日曜と祝日の消費分には20%の割引が提供される。この割引は10月から12月まで適用され、EDCの状況次第で2025年まで延長される可能性がある。
2025年に向けて、鉱業エネルギー省は、周辺諸国が電力料金を引き上げる中で、カンボジアでは現行の電力料金を維持することを約束している。経済的な課題がある中でも、特定の消費者層に対しては料金の引き下げが継続される見通しである。
また、観光セクター向けには、12月から2月にかけて特別料金が導入されるほか、米の精米業者や加工業者には、10月から1月までの4カ月間、月間平均使用量を超えるエネルギー消費分に対して、午前7時から午後9時の使用分に1kWhあたり500リエルの追加割引が提供される予定である。
さらに、カンボジアは2030年までに再生可能エネルギーの割合を少なくとも70%に引き上げることを目指しており、環境目標と経済成長の両立を図る方針である。
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