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<写真:khmertimeskh.com>
カンボジア観光省は23日、2025年1〜7月の外国人観光客数が370万人に達したと発表した。
訪問者の国別で最多となったのはタイからの観光客で、約94万6000人を記録したが、6月に前年比61.1%減、7月には同90.5%減と急減しており、その背景にはタイとの国境紛争があるとされる。
タイからの訪問者数は前年同期比で17.5%減となり、特に5月28日に発生した国境衝突以降、ホテルや交通、旅行代理店などタイ人観光客を主要顧客とする業界で深刻な収益悪化が進行している。
観光業が地政学的リスクに対していかに脆弱であるかが、改めて浮き彫りとなった。
一方、中国からの観光客は約68万7000人で、前年同期比48.2%増と大きく回復した。「カンボジア・中国観光年2025」の枠組みに基づき、航空路線の拡充や両国間の観光協力が進展したことが追い風となっている。
中国人観光客の増加は、タイ人訪問客の急減による観光収入の減少を部分的に補っている状況である。
ベトナムからの訪問者は約71万4000人で全体の第2位を維持したが、前年同期比で5.7%の減少となった。この数字は、地域全体で観光需要が減速傾向にあることを示している。
カンボジア旅行業協会(CATA)のチャイ・シブリン会長は、国境紛争が外国人観光客の心理に大きな影響を及ぼしていると指摘した。
加えて、タイ政府が外国人観光客に対して安全上の理由からカンボジア訪問を控えるよう勧告したことが、イメージ悪化をさらに助長したと見られている。
こうした状況の中、9月9日に予定されているテチョ国際空港の開港に大きな期待が寄せられている。同空港は世界で9番目の規模を誇るとされており、中東や欧州との直行便就航により、カンボジアが新たな国際観光ハブとしての地位を確立する可能性がある。
観光業のみならず、外資誘致や交通インフラ整備を通じて、経済全体への波及効果も期待されている。
観光省は、外交関係の正常化が進まない限り、国境地帯の観光業者が長期的な収益低迷に直面するとの見通しを示しており、安定した外交と安全保障の確保が、観光振興に不可欠であるとの認識が広がっている。
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