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<写真:Khmer Times>
カンボジアでは民間部門の99%を占める小規模企業が雇用の70%以上、GDPの58%を担う重要な存在である。
しかし、これらの企業が輸出市場で占める割合はわずか10%にとどまっており、その割合を30%に引き上げることで、輸出額が32億ドル増加すると見込まれている。
小規模企業は国際市場への参入において、多額のインフラ投資や規制遵守の複雑さといった課題に直面しているという。
一方、オンラインショッピングの普及は、デジタルストアを通じて国際的な顧客基盤を構築し、物理的拠点を必要としない新たな市場参入機会を提供している。
カンボジア政府も2019年の電子商取引法や2020年のeコマース戦略を通じて、小規模企業の輸出支援に向けた取り組みを強化している。
これにより、2029年までに国内のeコマース利用者が290万人に増加する見通しである。
こうした国内政策に加え、世界経済フォーラムや国際商業会議所(ICC)などが主導する「グローバル・アライアンス・フォー・トレード・ファシリテーション」は、途上国と最貧国における貿易の効率化を目指す国際的な取り組みを進めている。
特に、電子化を通じて物流の効率性向上と透明性確保を実現し、経済成長や貧困削減を促進している。
小規模企業が主に利用する小包の越境配送を効率化するため、同アライアンスはカンボジア郵便局と税関のデジタルシステムを接続する「電子事前データ(EAD)」プラットフォームを導入した。
このシステムの実装により、税関のリスク管理能力向上、郵便局での手続きの効率化、輸出品の規制遵守の強化、貿易手続きの透明性向上、ITスキルの向上と関係機関間の信頼構築といった成果が得られた。
さらに、カンボジア女性起業家協会と協力してe物流プラットフォーム「BoxShipper」を開発した。
これにより600以上の国内外企業が配送追跡、料金確認、発送ラベル作成などを一元管理可能となった。
また、能力構築プログラム「Small Package Exporter Champions(SPEC)」を通じ、輸出準備の強化とeコマースへの参加を支援した。
このプログラムの結果、参加企業の84%が国内eコマースでの販売を開始し、55%が輸出を成功させた。輸出を実現した企業の多くで、売上増加や雇用拡大が見られた。
カンボジアでの成功事例を踏まえ、同アライアンスはドミニカ共和国やマラウイでも同様のプロジェクトを展開している。
これらの取り組みは、小規模企業がグローバルなバリューチェーンに参入し、新たな市場を開拓するための支援を行うものである。
今後も公私連携を強化し、グローバル貿易の障壁を取り除くことが経済成長と繁栄を共有する鍵となるであろう。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。