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<写真:Khmer Times>
カンボジア内務省は特に若い女性が巻き込まれるオンラインの「恋愛詐欺」が増加していることに懸念を示している。
被害者の多くは経済的に困窮している背景を持つ女性で、外国人を名乗る詐欺師による甘い言葉や贈り物の約束に騙され、深刻な精神的・経済的被害を受けているという。
この問題は国内だけでなく国際的な課題としても注目されている。
詐欺師たちはSNSを利用し、海外に住む孤独な男性を装って接触する。
ロマンチックな関係を築いた後、高価な贈り物や結婚の約束をエサに信頼を得る一方で、贈り物の受け取り手数料などの名目で金銭を騙し取る手口が多い。
クメールタイムズの報道によれば、多くの被害者が詐欺により生活の困難を強いられている。
例えば、スレイラットさん(仮名)は2020年、パンデミック中にFacebookで詐欺師と出会い、数か月間にわたるやり取りの末に700ドルを騙し取られたという。
スレイラットさんは「彼は海外在住であると話し、将来の計画を語って信頼させた。私は疑うことなく信じてしまった」と語る。
高価な贈り物を送ると言われたが、その受け取りには手数料が必要とされ、さらに追加費用を要求され続けた末、詐欺であると気付いたという。
他の女性被害者もオンラインで知り合った男性に結婚をほのめかされ、最終的に1500ドルを失っている。
カンボジア内務省のトゥッチ・ソッカック報道官によると、このような詐欺が増加している一方で、多くの被害者が恥ずかしさや無力感から警察に相談しない現状がある。
また、ソッカック氏は詐欺手法がデジタル技術の進化により巧妙化していることにも触れ、一般市民に対し、知らない相手からの魅力的な申し出に慎重になるように警告を発している。
アメリカ連邦捜査局(FBI)によると、恋愛詐欺は虚偽のオンラインプロフィールを利用し、被害者の信頼を得た上で金銭を騙し取る犯罪である。
アメリカ国務省の人身取引に関する報告書においても、恋愛詐欺や暗号資産詐欺が国際的な問題として指摘されている。
カンボジア政府はこの問題に対処するため、国民への啓発活動を強化する方針を示している。
しかし、被害を防ぐためには、個人がオンライン上のやり取りに対して慎重な姿勢を持ち、安易に誘惑に乗らないことが重要である。
恋愛詐欺は単なる金銭的被害にとどまらず、被害者の心にも深い傷を残す問題であり、こうした犯罪が広がらないように、政府と市民が協力して取り組む必要がある。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。