カンボジアの観光業、競争でタイに接近

カンボジアの観光業、競争でタイに接近
2025年01月10日(本日)00時00分 公開
カンボジアの観光業、競争でタイに接近

<写真:Khmer Times>

 

カンボジアの観光業が急速に発展し、近隣の観光大国タイに迫る勢いを見せている。業界関係者によれば、魅力的な観光資源や政策の支援を背景に、同国は短期および長期の旅行者にとってタイの有力な競争相手になりつつある。

 

プノンペンを拠点とする旅行代理店のチア・キム氏は、タイのメディア「パタヤメール」とのインタビューで「カンボジアは今や究極のラグジュアリーライフスタイルを求める国際旅行者にとってタイと直接競争する立場にある」と述べた。

 

同氏によれば、かつてバックパッカー向けの低予算旅行地として知られたカンボジアであるが、近年では高級旅行市場を含む全セグメントに対応しているという。

 

実際、カンボジアは依然として東南アジアで最も手頃な旅行地の1つとされるが、現在ではプライベートアイランドリゾートやヘリコプターツアー、高級車での移動など、贅沢でエキゾチックな体験を提供するサービスが充実している。

 

カンポット市の「オールドシネマホテル」経営者、バス・ファン・デル・ラーン氏は「新型コロナウイルスの影響以降、バックパッカーが減少する一方で、カップルや家族連れ、高予算のフラッシュパッカーが増加している」と指摘した。

 

同氏はまた、国内の中間層の拡大と購買力の向上が国内観光の成長にも寄与していると述べた。

 

さらに「リキティキタビホテル」のパオロ・モスカルディーニ氏は「カンボジアは国際的に新たな観光地として注目を集めている」として、かつてのタイと同様に成長の勢いがあると評価した。

 

観光のみならず、長期移住者向けの選択肢も拡大している。パタヤメールの報道によれば、カンボジアの年間更新可能な退職者ビザは300ドル程度と手頃で、申請手続きも簡便である。

 

一方、タイやベトナムは近年ビザ取得が困難かつ高額化しているとされ、これが移住者の流入を促進しているという。

 

それでもカンボジアの観光業がタイを追い抜くには課題が残る。タイ国政府観光庁(TAT)は2024年の国際観光客数を3500万人以上、観光収入を約520億ドルと発表した。

 

一方、カンボジア観光省によれば、2024年の訪問者数は670万人程度、観光収入は30億4000万ドルに留まる見通しである。

 

カンボジアはアンコールワットを超えた観光資源の魅力を発信しつつ、観光インフラの強化とサービスの多様化を進めることで、さらなる成長が期待されている。

 

 

 

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