安全懸念と地域情勢が影響、SEA Games全面撤退を決定

安全懸念と地域情勢が影響、SEA Games全面撤退を決定
2025年12月11日 00時00分 公開
安全懸念と地域情勢が影響、SEA Games全面撤退を決定

<写真:khmertimeskh.com>

 

タイで開催中の第33回東南アジア競技大会(SEA Games 33)において、カンボジアの国家オリンピック委員会(NOCC)は、自国選手団の全員をただちに帰国させる方針を明らかにした。複数の報道機関によれば、この決定は「深刻な安全上の懸念」および「選手家族からの強い帰国要請」によるものである。

 

NOCCのヴァット・チャムルーン総書記は、12月10日付の書簡において、「断腸の思いで決断した」と述べるとともに、これまでの支援に対する謝意を関係各所に伝えた。これにより、選手および役員を含む137人規模のカンボジア代表団が大会からの撤退を余儀なくされ、直ちに帰国手続きが進められる見通しである。

 

今回の撤退は突発的なものではなく、カンボジア側は大会開幕前から参加縮小の方向で調整を進めていた。2025年11月末には、サッカー、セパタクロー、ぺタンク、柔道、空手、武術、レスリングなど、8種目からの出場辞退を発表していた。当初は13種目への参加継続を予定していたが、安全上の懸念が拭えなかったことから、最終的に全競技からの撤退に至ったと見られている。

 

カンボジアの決定は、同国とタイの国境付近における武力衝突の再燃と、それに伴う地域の安全保障環境の悪化と密接に関係している。最近の報道では、両国間で再び軍事的緊張が高まり、民間人や軍関係者の死傷、避難者の発生が伝えられていた。こうした不安定な情勢下において、選手団の安全確保が困難と判断されたものと推察される。なお、NOCCの公式声明では、撤退の直接的な脅威の内容については明言されていない。

 

この決定は大会運営にも重大な影響を及ぼす可能性がある。SEA Games開幕直後の全面撤退は極めて異例であり、競技スケジュールの見直し、観客や報道関係者への対応、主催者である東南アジア競技連盟(SEAGF)およびタイ大会組織委員会(THASOC)の信頼維持など、運営面での混乱が懸念される。

 

また、この事例は、国際スポーツイベントにおいて「安全保障」と「スポーツの中立性」とが衝突するケースとして、今後の国際競技運営にも一石を投じることとなる可能性がある。カンボジアの撤退が他国の対応に波及するか否かも注目される点であり、各国の選手団の動向や大会への影響が注視されている。

 

今後は、NOCCと大会主催者側との間で、参加資格や補償に関する調整が進められると見られる。また、国際オリンピック委員会(IOC)を含む関係機関においても、「安全を理由とした大会参加辞退」に関する先例の扱いや、国際スポーツにおけるリスク管理の在り方が改めて問われることとなろう。

 

今回のカンボジアによる全面撤退は、スポーツの領域を超え、国際情勢や人道的配慮の重みを浮き彫りにするものであり、その影響は一過性にとどまらない可能性がある。

 

 

 

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