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<写真:khmertimeskh.com>
カンボジア国防省は、タイ軍による一連の攻撃によって少なくとも民間人7人が死亡し、20人が負傷したと発表した。
攻撃は8日から9日未明にかけて、国境付近の民家が点在する地域を標的として行われたという。国防省報道官マリー・ソチェアタ中将が明らかにした。
国防省は、この軍事行動を「非人道的かつ残虐な行為」と厳しく非難し、10月26日にカンボジアとタイの間で署名された停戦合意および共同平和宣言に対する重大な違反であると断じている。
また、今回の攻撃は、両国間で進められていた和平努力を根底から揺るがすものであるとして、強い懸念を示している。
両国は、10月に「クアラルンプール和平合意(Kuala Lumpur Peace Accord)」に署名し、武力行使の停止、信頼醸成措置、地雷除去、兵力撤収などを約束していた。
しかし、今回の砲撃を含む軍事行動により、合意は短期間で危機的状況に直面している。特に、文化遺産とも関わる国境地域における歴史的対立が、衝突の根底にあると見られる。
7月にも同地域では大規模な衝突が発生し、多数の死傷者と避難民が出ている。こうした状況の再発により、和平への期待は再び大きく揺らいでいる。
今回の事態は、東南アジア地域の安定にとって極めて重大な懸念材料である。
和平合意は国際社会、とりわけドナルド・トランプ前米大統領らの仲介を受けて成立した経緯があり、その実効性が問われる局面を迎えている。
もし両国の武力衝突がさらに拡大すれば、避難民の急増や人道危機の深刻化、地域の観光産業や経済活動への打撃も避けられないと見られる。
今後の焦点としては次の点が注目される。第一に、カンボジア側が外交的抗議や国際社会への仲介要請など、どのような対応を取るか。
第二に、停戦および和平合意を維持・再構築するために、地域や国際社会がいかなる関与を行うか。
第三に、国境地域の住民の保護、人道支援、避難民支援などに向けた現実的な対策が求められる点である。
これらの動向は、今後のカンボジア・タイ両国の関係、そして東南アジア全体の安全保障環境に対して、大きな影響を及ぼす可能性がある。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。