CMAAがタイ側主張に反論、国際社会に公正な調査を訴え

CMAAがタイ側主張に反論、国際社会に公正な調査を訴え
2025年12月04日(本日)00時00分 公開
CMAAがタイ側主張に反論、国際社会に公正な調査を訴え

<写真:khmertimeskh.com>

 

2025年7月以降、タイ陸軍(RTA)は国境地帯における地雷被害の発生を受け、これが「最近設置された新型地雷」であると主張し、武力衝突へと発展した。これに対し、カンボジア地雷対策庁(CMAA)は、こうした主張を「根拠のない一方的なもの」として強く反発し、国際条約の遵守とこれまでの除去実績をもとに、自国の立場を明確にしている。

 

タイ側の報告によれば、被害をもたらしたのはPMN-2などの新型対人地雷であり、発見された地雷はいずれも「新品で展開可能な状態」であったとされる。複数の独立専門家が公開された写真に基づき、「新たに設置された可能性が高い」との見解を示す一方、決定的な証拠は示されていない。この主張を受け、タイ政府は両国が加盟する対人地雷禁止条約(オタワ条約)の第8条に基づき、カンボジアに対する措置を国際的に求める意向を示した。

 

一方で、CMAA はこれに対し、タイ外相や一部報道が伝えた「カンボジアによる新たな地雷敷設」の主張を完全に否定した。オタワ条約の締約国であるカンボジアは、同条約への加盟以降、新たな対人地雷の使用や設置を一切行っておらず、軍に対してもそのような命令や許可は存在しないと明言した。現在国境地帯に残存する地雷汚染は、1970年代から1990年代の内戦および複数の武装勢力の活動によるものであり、「最近の設置」との誤認は適切ではないと指摘している。

 

さらに CMAA は、タイ側がこれまでに実施してきた地雷除去作業や技術的作業について、カンボジア側との調整や協議なしに一方的に行われたものであり、条約上の手続きを無視する行為であると批判した。国境地域における共同の管理・監視体制の構築が求められる中、こうした単独行動は地域の緊張を高める要因になるとして懸念を示した。

 

CMAA はまた、カンボジアのこれまでの地雷除去実績を強調した。長年にわたり、爆発物および不発弾の除去を進めてきたことにより、人道的地雷除去分野において国際的に高く評価されていると述べた。技術力、透明性、国際協力の面において揺るぎない姿勢を維持しており、対人地雷問題への対応は政治的意図ではなく、技術的・人道的見地に基づくべきであると強調した。

 

今回の対立の背景には、国境をめぐる主権争いや歴史的境界線の解釈の違いが横たわっており、軍事的衝突の再発や民間人への被害拡大が懸念されている。こうした状況においては、双方が合意できる形での「共同・独立調査」の実施と、国際的な地雷除去専門機関の関与が不可欠である。真に人道と安全を守るには、信頼回復と協調の再構築が急務となっている。

 

CMAA は結びにあたり、「事実と矛盾する主張」「条約違反との一方的断定」に対し、明確に反論し、国際社会に対して公正かつ透明な手続きを通じた解決を求めた。長年の除去努力と国際的信頼を背景に、地雷問題が政治利用されることなく、条約と人道原則に基づいた協力体制が築かれることが期待される。今後の焦点は、緊張の激化か、協調への転換か、国際社会の対応に委ねられている。

 

 

 

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