カンボジア経済、25年に6.3%の成長見込み

カンボジア経済、25年に6.3%の成長見込み
2025年01月20日(昨日)00時00分 公開
カンボジア経済、25年に6.3%の成長見込み

<写真:Khmer Times>

 

カンボジア経済財政省(MEF)が発表した「2025年度予算概要報告書」によれば、カンボジア経済は2025年に6.3%の成長が見込まれる。名目国内総生産(GDP)は約513億9000万ドルに達すると予測されており、1人当たりGDPは2924ドルに到達する見通しである。

 

2025年の経済成長は、産業、サービス、農業といった主要セクターが中心的な役割を果たすと見られている。

 

産業セクターの成長率は8.6%と予測されており、縫製業と非縫製業のバランスの取れた成長が期待される。建設セクターについては、新型コロナウイルス感染症以前の水準には届かないが、緩やかな回復基調にあるとされる。

 

サービスセクターでは5.6%の成長が見込まれており、特にホスピタリティ、飲食、支援サービス分野の成長が続くとされる。不動産セクターも引き続き安定した成長を示すと予測されている。

 

農業セクターの成長率は1.1%と堅調であり、作物や畜産分野の拡大が成長を支える。水産業についても徐々に回復の兆しが見られるとされている。

 

インフレ率と外貨準備高の見通しとして、2025年の平均インフレ率は2.5%と予測されており、これは国内経済活動の活発化と国際商品価格の安定を背景としたものである。

 

また、外貨準備高は244億2000万ドルに達し、輸入額の7.5カ月分をカバーする見込みである。この堅調な外貨準備高は経済の安定に寄与すると見られている。

 

カンボジアの経済成長には経済外交が大きく寄与しているとされる。経済学者ドゥチ・ダリン氏は、輸出市場の多様化や貿易関係の強化が輸出コストの削減や競争力向上につながっていると評価する。

 

これにより、産業の拡大や経済の多角化を促進する外国直接投資(FDI)の誘致が進み、観光業の復活がGDP成長を加速させているという。

 

副首相兼経済財政相のアウン・ポーンモニロット氏によると、2025年の成長は輸出主導型セクター、特に縫製業の回復が中心になる。また、観光業も回復が進み、宿泊業や関連サービスがパンデミック前の水準に近づくと期待されている。

 

一方で、世界銀行はカンボジアの2025年および2026年のGDP成長率を5.5%と予測しており、政府の見通しよりも慎重な見方を示している。

 

世界銀行カンボジア代表のタニア・マイヤー氏によると、持続可能な成長には人材育成とビジネス環境の改革深化が必要である。

 

カンボジア経済は2025年、主要セクターの成長と輸出市場の多様化によって6.3%の成長が見込まれている。政府や関連機関の努力により、外貨準備高の安定と輸出主導型産業の回復が期待される一方、持続的な成長には生産性の向上やビジネス環境の改善が課題となっている。

 

 

 

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