カンボジアとシンガポール、AIでクメール語を強化

カンボジアとシンガポール、AIでクメール語を強化
2025年01月23日(木)00時00分 公開
カンボジアとシンガポール、AIでクメール語を強化

<写真:Khmer Times>

 

カンボジアとシンガポールは、東南アジアにおける人工知能(AI)の発展を目指し、クメール語の言語モデル(LLM)の共同開発に向けた歴史的な協定を締結した。

 

この取り組みは地域協力の強化とAI技術を通じた文化的・社会的価値の向上を目指すものである。

 

協定はカンボジアAIフォーラムの会長チーム・シリワット氏と、シンガポールの国家AI開発プログラム「AIシンガポール」のダリウス・リウ氏の間で交わされた。

 

調印式はカンボジア工科大学で行われ、プロジェクトの正式な始動が宣言された。

 

本協定はAIシンガポールが主導する「Sea - Lion」プロジェクトの一環として実施される。

 

このプロジェクトは東南アジアにおける多様な言語や文化を反映した大規模言語モデルの開発を目指し、オープンソース型のAI技術基盤を構築するものである。

 

調印式において、チーム・シリワット氏はクメール語LLMの開発がカンボジアのAI分野における画期的な一歩であると述べた。

 

さらにシリワット氏は、クメール語が持つ文化的意義についても言及した。

 

「クメール語は単なる言語ではなく、アンコール帝国の歴史的遺産を象徴するものであり、この豊かな文化を未来のAI技術基盤に組み込むことが重要である」と述べ、文化遺産の保護と技術革新の融合に対する期待を示した。

 

AIシンガポールの応用研究責任者ウィリアム・チー氏は、プロジェクト初期段階の最優先課題として、クメール語データの収集と整備を挙げた。

 

クメール語のAI基盤が未成熟である現状を踏まえ、データの質と量を向上させることが必要であると強調した。

 

このデータ収集プロセスは地域のデジタル格差を解消し、言語資源の活用を促進する重要なステップとなる。

 

また、Sea - Lionプロジェクトはオープンソース型のアプローチを採用しており、研究者や教育者、起業家など、多様なステークホルダーに利益をもたらすことを目指している。

 

今回の取り組みは、AI技術が地域の文化や言語を支援する可能性を示す好例である。

 

カンボジアとシンガポールの連携により、クメール語LLMの開発が進められれば、技術革新と文化的遺産の保護という2つの目標を同時に達成可能となる。

 

このプロジェクトは、カンボジアにおけるAI分野の発展を加速させるだけではなく、地域全体のデジタル化や経済成長、国際的なAI研究への貢献を促進することになる。

 

クメール語LLMの完成に向け、両国の取り組みは、東南アジア全体の未来に明るい道を切り開いている。

 

 

 

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