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<写真:Khmer Times>
日本政府はカンボジアの選挙プロセス強化を目的に、無償資金協力契約を締結した。この支援はカンボジア国家選挙委員会(NEC)が運用する有権者情報登録および管理システムの更新に充てられるもので、日本は今回、NECへの直接支援を行う初の国となった。
カンボジア政府およびNECは、この支援により選挙管理の効率化とシステムの近代化が進むことで、公正で自由な選挙の実現が期待されると述べている。
支援内容にはサーバーおよびサイバーセキュリティ機器が含まれ、2016年に日本が提供した既存システムを置き換える形となる。これに伴い、日本政府は7億5000万円の資金を提供することを決定した。
1月23日、プノンペンのカンボジア外務国際協力省で行われた署名式には、プラック・ソコン副首相兼外務国際協力大臣と植野駐カンボジア日本大使が出席し、両国間で交換公文が調印された。
署名式で植野大使は、本プロジェクトの重要性を強調し、「この取り組みは民主主義とガバナンスの向上を目指す日本の一貫した支援の一環である」と述べた。また、新設備の導入に伴うセキュリティ強化が、選挙の公正性確保において重要な役割を果たすと指摘した。
「選挙を公正かつ正確に実施するには、有権者情報を登録・管理する堅牢なシステムが不可欠である。特に、近年他国で発生しているデータ不正アクセスのリスクを踏まえると、デジタルセキュリティの重要性はますます高まっている」と述べた。
今回のプロジェクトは、2024年7月の日本外務大臣によるカンボジア訪問で発表された「3つの新たな協力アプローチ」(社会インフラ開発、デジタル技術の進展、サイバーセキュリティ協力)の一環として実施されている。植野大使はこの支援がカンボジアにおける民主的プロセスを一層強化する契機になるとの期待を表明した。
プラック・ソコン副首相は、NECに新設されるサーバールームが選挙管理業務の高度化に寄与すると述べた。「新しいサーバールームには最新の技術インフラが導入され、選挙人登録、重複チェック、スタンプ認証、選挙結果集計など複雑な業務に対応する能力が向上する」と評価し、今回の支援がシステムの効率化と近代化に直結すると強調した。
また、カンボジア政府を代表して、これまでインフラ、医療、教育、水道、下水道、地雷除去など幅広い分野で行われた日本の公式開発援助(ODA)に対する感謝を表明した。
NECの報道官ハン・プテア氏も今回の支援に感謝を示し、「日本は選挙分野で最初に技術支援を行った国であり、その役割は非常に重要である」と述べた。同氏は2016年以降、日本の支援によりNECのデータ管理システムが大幅に改善された実績を強調した。
2024年11月時点で確定した選挙人名簿には18歳以上の市民1121万8069人(うち女性588万8729人)が登録されており、投票所数は前年より156増加し合計2万4190箇所となった。
植野大使は「民主的な社会の構築には、人々が自由に意見を表明できる環境が必要不可欠である」と述べ、今後もカンボジアの発展を支援していく姿勢を示した。
日本とカンボジアの「包括的戦略的パートナーシップ」の下で、両国の関係はさらに深まり、カンボジアの民主主義と選挙制度の強化に向けた具体的な成果が期待されている。
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