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<写真:Khmer Times>
カンボジアにおいて初となる石油精製所の建設計画が発表された。主導するのは中国のエネルギー企業・冠尊能源投資有限公司(Guanzun Energy Investment Co Ltd)であり、投資総額は最大35億ドルに達する見通しである。プロジェクトはカンポット州に位置し、同国のエネルギー産業にとって転換点となる可能性を秘めている。
カンポット州政府の発表によれば、精製所は234ヘクタールの敷地に建設され、年間1000万トンの原油を処理できる能力を備える予定である。本計画の実施にあたり、冠尊能源は中国石化第二建設公司(Sinopec Second Construction Group)、中国鉄建港湾局(China Railway Port and Navigation Bureau)、山西建投公司(Shanxi Construction Investment Co)と協力体制を構築している。
冠尊能源の董事長である喬冠軍氏は、本プロジェクトがカンボジアのエネルギー産業を高度化させるうえで中核的な役割を担うと述べた。
建設は二段階で進められ、それぞれの段階に約18カ月が充てられる予定である。第一段階では、年間500万トンの処理能力を持つ精製所が約26億ドルの投資を受けて建設される。第二段階も同様の規模を見込んでいるが、具体的な投資額は現時点で未定である。
本精製所の建設においては、中国の高度な自動化技術が導入され、現地での雇用創出およびカンボジアのエネルギー安全保障の強化に寄与することが期待されている。長年にわたり石油精製能力の欠如が課題とされてきたカンボジアにとって、本プロジェクトはその解決に向けた大きな一歩となる。
カンボジア鉱山エネルギー省(MME)は、国家戦略として石油精製所の整備を推進しており、陸上・海上における油田開発への投資誘致にも注力している。
MMEのケオ・ラッタナック大臣は、2024年の年次会合において「国内の石油市場は規模が限られているが、戦略的な石油精製プロジェクトの必要性は今後一層高まる」と述べ、安全な輸送・貯蔵・流通体制の構築にも力を入れていると説明した。
同省の予測によれば、カンボジアにおける石油製品の需要は2020年の280万トンから2030年には480万トンに増加する見込みであり、今回の精製所建設はその需要増に対応する重要な布石といえる。
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