タイとの国境紛争問題、越南企業がカンボジアで急拡大

タイとの国境紛争問題、越南企業がカンボジアで急拡大
2025年07月15日(火)00時00分 公開
タイとの国境紛争問題、越南企業がカンボジアで急拡大

<写真:Khmer Times>

 

カンボジアの消費財市場において、タイとの国境紛争による輸入停止を受け、ベトナム企業が急速に市場シェアを拡大している。

 

首都プノンペンでは、ビスケットや乳製品、チョコレート、インスタント麺といった商品群において、タイ製品の代替としてベトナムブランドが小売店の棚を占める光景が広がっている。

 

現地の小売業関係者によれば、過去2週間の間にベトナム製品の供給量が急増しており、特に乳製品分野では「ダラット・ミルク」がタイの「ダッチミル」に取って代わるなど、シェア拡大が顕著である。

 

マレーシア企業も参入を進めているが、供給体制やブランド認知においてはベトナムが優位に立っているとされる。

 

ベトナム企業は、販売代理店や流通業者との連携を強化し、プノンペンに営業チームを常駐させるなど、積極的な市場展開を進めている。

 

かつて消費財売上の約25%を占めていたタイ製品が店頭から姿を消す中、ベトナム製品の安定供給がスーパーマーケットの営業維持に大きく貢献している状況である。

 

加工食品分野においては、「Vifon」「Acecook」「Vi Huong」といったベトナムブランドが既に高い認知を得ており、その他にも通信(Viettel)、銀行(BIDV)、農業(ホアンアインザライ)、ゴム(ベトナムゴムグループ)など、多様な分野でベトナム資本のプレゼンスが拡大している。

 

一方、ベトナムとカンボジアの間では経済的パートナーシップの強化も進行中である。

 

両国は2025年を見据えた地域経済協力の枠組みを模索しており、ISEASユソフ・イシャク研究所のグエン・カック・ザン客員研究員は「米国の関税政策の影響下で、両国の経済関係は再構築の過程にある」と分析している。

 

さらに、7月15日にホーチミン市で開催予定の「ベトナム・カンボジア・ビジネスネットワーキング会議2025」では、両国の商工会が覚書(MoU)を締結する見通しであり、農業、水産、食品、消費財、機械など多岐にわたる分野で新たな協力関係の構築が期待されている。

 

地理的近接性と低い貿易障壁といった利点を背景に、カンボジア市場におけるベトナム製品の存在感は今後も中長期的に高まっていくものと見られる。

 

 

 

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