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<写真:Khmer Times>
カンボジア政府は7月10日、タイ・ブリラム県で進行中のアンコール・ワットの大型レプリカ建設に対し、文化的真正性および遺産保護の倫理的側面から深刻な懸念を表明した。
同日パリで開催された第47回ユネスコ世界遺産委員会において、カンボジア文化芸術相プオン・サコナ氏は、当該事業がカンボジア側との事前協議を経ず、文化遺産保護に関する倫理的配慮を欠いたまま進められている点を厳しく批判した。
その上で「この複製は、アンコール・ワットの真正性および普遍的価値を著しく損なう」と強い懸念を示した。
アンコール・ワットは、12世紀にスールヤヴァルマン2世によって建立された世界最大級の宗教建築であり、1992年にユネスコ世界遺産に登録されたカンボジアの象徴的遺産である。
その歴史的・文化的価値は、単なる建築物を超えて、カンボジアの国家的アイデンティティと深く結びついている。
サコナ氏はさらに、今回のレプリカ建設が今後の世界遺産保護の枠組みにおいて、悪しき前例となる可能性を指摘し、ユネスコおよび関連諮問機関に対して、迅速かつ慎重な対応を求めた。
この問題は、2025年6月にシェムリアップ州で開催された第40回国際調整委員会(ICC-アンコール/サンボー・プレイ・クック)技術会合においても取り上げられており、当時もサコナ氏は、タイが1972年世界遺産条約締約国として遵守すべき義務に反するとして、同事業を厳しく非難していた。
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※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。
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