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<写真:khmertimeskh.com>
米国政府は約4年間にわたり継続してきたカンボジアへの武器禁輸措置を正式に解除した。これは両国間の信頼回復と貿易関係の再構築に向けた協議の進展を受けたものであり、今後は個別審査を経て、特定の武器輸出が可能となる。
今回の措置は10月26日にマレーシア・クアラルンプールで開催された、タイとカンボジア間の停戦合意に続く対応である。同日、カンボジアのフン・マネット首相と米国のドナルド・トランプ大統領は、経済関係の強化を目的とする「相互貿易協定」に署名した。
米国連邦官報によれば、同協定および停戦合意の成立を受け、マルコ・ルビオ国務長官は、カンボジアとの防衛協力の再開や国際犯罪対策における連携の進展を評価し、禁輸措置の解除を決定した。
これによりカンボジアは、先端技術の取得や軍事訓練プログラムへの参加、さらには民生・軍事両用機器の供給を受けることが可能となり、防衛力および関連産業の基盤強化が期待される。
カンボジア政府は近年、中国との戦略的関係を維持しつつも、米国をはじめとする西側諸国との関係の多角化を模索してきた。フン・マネット首相は、米国との直接的な貿易交渉の開始を指示し、カンボジア製品に対する関税率は19%に引き下げられたとされる。
一方で、米国がこれまで懸念を示してきた中国軍の影響力や、南シナ海における中国の戦略拠点とされるリアム海軍基地の拡張問題については、依然として不透明な要素が残っている。
カンボジアのパンニャサストラ大学に所属するケヴィン・ナウエン社会科学・国際関係学部長は、今回の禁輸解除について、「両国間の信頼回復と安全保障対話の再開に資するものであるが、継続的な政策改革が伴わなければ、経済的な恩恵は限定的にとどまる」との見解を示している。
今回の措置は、外交および安全保障分野における対話再開の重要な兆しであると同時に、米国による対カンボジア政策の転換点となる可能性を秘めている。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。