カンボジアの購買力向上、国内市場重視の投資拡大

カンボジアの購買力向上、国内市場重視の投資拡大
2026年01月01日 00時00分 公開
カンボジアの購買力向上、国内市場重視の投資拡大

<写真:khmertimeskh.com>

 

カンボジアでは、国民の所得水準が上昇する中で購買力が拡大しており、国内市場をターゲットとする外国直接投資(FDI)の誘致が加速している。

 

経済財務省の発表によれば、2026年の国内総生産(GDP)は約537億9000万ドルに達し、1人当たりGDPは3020ドルまで上昇する見通しである。

 

同国投資委員会の副事務局長スオン・ソファル氏は、安定した経済成長に加え、新投資法に基づく優遇措置や手続きの簡素化が新規投資を後押ししていると説明している。

 

ソファル氏はまた、「購買力の増加は、国内需要向けおよび輸出用の加工産業への投資を促進する重要な要因である」と述べた。

 

これまでカンボジアの製造業は、主に米国や欧州向けの衣料品や履物の輸出に依存していたが、近年では中間所得層の拡大により、自動車や家電製品など高付加価値製品への国内需要が高まっている。

 

こうした動きを受け、多くの企業が国内市場を視野に入れた生産拠点の整備を進めている。

 

農産加工分野でも、現地での製粉、包装、食品加工への投資が増加しており、スーパーマーケット向けの供給体制強化が進んでいる。

 

2025年1月から10月までに承認された固定資産型投資プロジェクトは575件、総額は92億ドルに上り、前年同期比で66%の増加を記録した。

 

これらの投資は製造業、再生可能エネルギー、インフラ、観光、農業など多岐にわたっている。

 

産業科学技術革新省は、国内バリューチェーンの強化と後方連携産業の育成を目的とした7つの重点分野を特定しており、これを今後の持続可能な経済成長の鍵と位置づけている。

 

カンボジアは2030年までに中上位所得国入りを目指しており、国内市場を重視した産業構造への転換は、世界的な輸出需要の変動に対する経済の耐性を高めるとともに、地元における雇用の質的向上にもつながることが期待されている。

 

 

 

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