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アメリカ財務省はカンボジアのフンセン首相と密接な関係にあるとされている政府高官と事業家に対して、腐敗行為の容疑で制裁を加えることを決定した。
今回の制裁決定は西洋諸国がフンセン首相の野党弾圧に対して圧力を強め、アメリカ政府がカンボジアと中国の軍事協力に対して懸念を表明した矢先に下された。
アメリカ財務省が制裁対象としたのは前カンボジア王国軍副総司令官のクン・キム氏だ。
クン・キム氏はココン州での不動産開発における腐敗行為と自身の莫大な金銭的利益を享受するために中国国有企業と癒着したとされている。
「クン・キム氏はカンボジア王国軍の兵士を利用し、脅迫した上で、中国国有企業が求めていた土地を取得した。クン・キム氏はカンボジア政府高官との違法なビジネスで得た利益を分配しなかったことが原因で、カンボジア王国軍副総司令官の地位を剥奪された。」とアメリカ財務省の声明では指摘されている。
クン・キム氏の家族3人と、その3人から指示を受けていた実行役5人も制裁対象に指定されたという。
フンセン首相率いる与党カンボジア人民党の党員であるTry Pheap氏も、官僚との共謀で巨大な違法木材組合を組織したとして制裁の対象となった。
Try Pheap氏の実行役のカンボジア国籍11人も同時に制裁対象となったという。
12月10日時点で、クン・キム氏とTry Pheap氏はコメントを発表していない。
カンボジア人民党の報道官であるSok Eysan氏は制裁に効果はなく、野党への支持のためだけに行われていると声明を発表した。
「彼らは海外に資産を有していない。もし、海外に資産があるのであれば、凍結すればいい。」とSok Eysan氏はロイターの取材に対して話した。
「アメリカは彼らの操り人形である元野党党員を支持するために今回の制裁をしているだけだ。制裁は効果的ではない。」と元最大野党のカンボジア救国党が2017年に解党命令が下されたことに言及しながらSok Eysan氏は続けた。
カンボジア救国党の解党もあり、フンセン首相率いる与党は昨年の選挙で全議席を獲得していた。
アメリカはこれまで幾度となく野党指導者で拘束されているケム・ソカ氏の解放を呼びかけてきた。
また、カンボジアが海軍基地の利用許可を巡り中国とひそかに合意していることに対して懸念を表明していた。フンセン首相はこれを否定している。
欧州連合は野党弾圧を続けるカンボジアに対して、特恵関税撤廃を検討し、圧力を強めている。
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