フンセン首相:プーチン大統領の逮捕は核戦争を引き起こす可能性

フンセン首相:プーチン大統領の逮捕は核戦争を引き起こす可能性
2023年03月20日 15時18分 公開
フンセン首相:プーチン大統領の逮捕は核戦争を引き起こす可能性

<写真:Khmer Times>

 

オランダ・ハーグの国際刑事裁判所(ICC)によるプーチン大統領の逮捕状発行を受け、フンセン首相は核戦争勃発の可能性について懸念を表明した。

 

首相の懸念はプーチン大統領がウクライナ侵攻の際に、「ロシアは米国及びNATO同盟国の保有する兵器を考慮する必要がある」として、何度も核兵器の使用に触れたことに起因している。

 

17日にICC予審2部はウクライナの地域から子どもたちを移送したことが国際法上の戦争犯罪にあたるとして、プーチン大統領とマリヤ・リボワ=ベロワ大統領全権代表(子どもの権利担当)の逮捕状を発行した。

 

フンセン首相はテレグラムページの音声メッセージで「ICCの決定はウクライナ戦争の中でさらなる緊張を生み出す可能性があり、核の対立につながる危険性も高い」と述べている。

 

中国の習近平国家主席が20日にモスクワ訪問を予定しており、和平交渉が期待されているが、ICCによる逮捕状の発行はウクライナとロシア間の紛争の平和的解決に向けた取り組みを複雑化する可能性がある。

 

現時点でICCを設立するための条約であるローマ規程に批准・加入する国は123ヶ国に及ぶが、米国やロシア、インド、中国といった一部の大国は未加盟である。ICCには関係国政府の協力なしに容疑者を逮捕する権限はない。

 

首相は今回の逮捕状が気候変動や病気といった地球規模の問題に対処する必要がある世界に分裂をもたらしたと指摘するとともに、全関係者に対し、緊張を激化させて核兵器の使用につながる様な脅威をこれ以上生じさせず、戦争終結に向けた解決策を見出すように呼び掛けた。

 

また、「プーチン大統領が対立することなく逮捕に同意するのか、ICCが同大統領を逮捕しようとした場合にロシア当局が容認するのか」として疑問を示している。

 

カンボジア王立アカデミー国際関係研究所のKin Phea事務局長によると、ICCの逮捕状は欧米による政治的手段であるが、ICC加盟国123カ国でのみ有効である。容疑者が加盟国に入国しなければ逮捕は不可能であり、プーチン大統領に対して簡単に執行することはできない。

 

同事務局長はICCがプーチン大統領の逮捕に成功すれば、第三次世界大戦が開戦する可能性があり、関係者は同大統領に核兵器の使用を考えさせるのではなく、ウクライナ紛争を平和的に解決する方法を模索すべきであると指摘している。

 

カンボジアは東南アジアで初めてローマ規程に署名・批准した国である。

 

地域別で見ると、締約国はアフリカ諸国が33、アジア太平洋地域が19、東ヨーロッパ諸国が18、ラテンアメリカ・カリブ海諸国が28、西ヨーロッパ諸国が25となっている。

 

その他31カ国はローマ規程に署名しているが批准しておらず、ブルンジとフィリピンの2カ国は条約を批准していたが、その後脱退している。

 

 

 

[© poste-kh.com 2016-2024 All Rights Reserved.]
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。

ホットニュース

Choose Classified categories