タイ・カンボジア国境の緊張下、依然として物流は正常

タイ・カンボジア国境の緊張下、依然として物流は正常
2025年12月23日(火)00時00分 公開
タイ・カンボジア国境の緊張下、依然として物流は正常

<写真:khmertimeskh.com>

 

カンボジアの欧州カンボジア商工会議所(ユーロチャム)は、タイ・カンボジア国境での緊張が高まる中においても、同国の物流およびサプライチェーンは引き続き正常に機能しているとの見解を明らかにした。

 

16日付で発表された声明によれば、ユーロチャムは国際的なパートナーからの警告を受けて、タイ国境周辺およびタイ湾の海上動向を注視しているものの、現時点で物資輸送に支障は出ておらず、港湾での貨物取扱いや陸上輸送、船舶の接岸も通常通り行われていると報告している。

 

同商工会議所は、加盟する物流事業者およびサプライチェーン関係者の対応能力を高く評価し、代替ルートの活用や運用の調整により、生活必需品を含む貨物の輸送が中断されることなく継続されていることを強調した。

 

一方、燃料供給や価格の変動については、今後の情勢次第で影響を受ける可能性があるとして、引き続き注意深く監視していく必要があるとした。

 

また、ユーロチャムは国連海洋法条約(UNCLOS)に言及し、すべての国の船舶に認められている「無害通航権」は引き続き保障されており、タイ政府による「高リスク地域」指定やタイ船籍への管理強化も、第三国の輸送を封鎖するものではないと指摘した。

 

加えて、ユーロチャムは緊張の影響を受けた子どもや家庭を支援する目的で、ユニセフ・カンボジアによる募金活動への支援を表明した。これにより、現地での食料、医療、水・衛生、教育資材、心理的サポートの提供が見込まれている。

 

イタリア商工会議所カンボジア支部(イタチャム)の副会長リカルド・コッラド氏は、輸送および物流委員会を通じてユーロチャムと密接な連携を図っており、サビノ・デル・ベネ、ブオニッシモ、イデアルなどの会員企業からも「通常通り業務が行われている」との報告が寄せられていると述べた。

 

同氏はまた、燃料供給の変動や保険料の上昇といった間接的な影響についても注視しているとしつつ、地域情勢の沈静化と企業活動への影響回避に期待を示した。

 

なお、イタチャムは2026年2月4・5日に予定されている「イタリア博覧会」の開催に向け、貨物輸送の準備を進めており、今後の円滑な実施への期待も高まっている。

 

カンボジア商業省の発表によれば、2025年1月から10月までの同国から欧州連合(EU)への輸出額は42億1000万ドルに達し、前年同期比で17.3%の増加を記録した。

 

EU全体に占める割合は16.3%であり、主な輸出先はスペインの10億ドル、ドイツの9億3300万ドル、オランダの8億4400万ドルとなっている。

 

 

 

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