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<写真:Khmer Times>
カンボジア国立銀行(NBC)の最新レポートによると、不動産・建設セクターは2024年も低迷が続く可能性が高い。
NBCが今週発表した「2023年マクロ経済・銀行部門見通し・2024年見通し」では、不動産市場の一部分野は2024年に進展し、手頃な価格の住宅に対する国内需要など回復期を示すという予測がなされた。
しかし、コンドミニアムを含む非居住者向けの高級建設サービスに対する需要は引き続き低迷する見込みであるという。
同レポートでは、2023年全体を通して不動産開発セクターに影響を与えたトレンドの内訳を信用データに基づき提供している。
2023年の年次報告書によると、2023年の建設セクターの成長率は1.1%と、前年の0.5%から鈍化した。
カンボジアでは橋、空港、高速道路といった物理的インフラ整備が進行中であり、建設業の増加は民間投資よりもむしろ公共部門の活動によるところが大きい。
建設資材・機材の輸入は4.7%増加しており、輸入が25.6%減少した2022年と比較してプラス成長となった。
報告書によると、承認された建設プロジェクトの面積と費用も、住宅建設と公共建設プロジェクトの両方が投資承認されるなど、2023年は前年に比べて増加した。
このことは大規模な新規開発への投資が今後具体化し、建設が増加する可能性を示唆している。
しかし、承認された建設プロジェクト全体の数は前年比で20.5%減少した。
2022年の不動産セクターは0.2%増であったが、2023年の不動産セクターは0.5%増と微増を続けた。
2023年の住宅セクターは販売量、販売価格ともに大幅に鈍化し、土地付き物件を含む住宅用不動産の販売額は49.7%減少した。
高層ビル市場は主に外国人投資家が土地付き物件を求めているが、2023年はコンドミニアムの販売件数が2%の上昇となり、2022年とほぼ変わっていない。
NBCはまた、全国的な「住宅価格指数」(RPPI)が2023年を通して2.4%減少したと報告した。
首都の不動産が最大の打撃を受け、プノンペンの価格はRPPIで3.2%減少したが、地方では2022年の指数と比較して3.2%上昇している。
NBCによると、地政学的危機の長期化リスクにより、2024年の成長に関する不確実性は依然として高い。
また、2024年に複数の主要国経済成長が鈍化するため、これが世界経済全般に悪影響を及ぼし、2023年と比較して世界全体の商業が若干縮小する可能性が高いという。
2024年のカンボジアにおける建設・不動産セクターは、銀行の世界的見通しに照らして、緩やかではあるが成長を続けると予測される。
このセクターは2023年同様、総合的な公共インフラ開発プロジェクトに支えられ続ける見込みである。不動産市場は地産地消の手ごろな住宅に焦点を当てた内需の緩やかな回復が見込まれる。
しかし、NBCは非居住者投資家向けの高級建設サービスの需要は引き続き低調に推移すると予測している。
不動産セクターの見通しは暗いが、カンボジア経済全体は、観光業と製造業の成長が主な原動力となり、今後11ヶ月で6.4%の成長を続けるとの見通しである。
NBCのチア・セレイ総裁はまた、中央銀行の年次決算会議において、リエルが対米ドルで2%未満と安定していることを強調した。
一方で、ラオス・キップの29.8%下落、日本円の9%下落、中国人民元の6.7%下落など、他国では顕著な通貨変動が見られている。
セレイ総裁によると、カンボジアの通貨が相対的に安定していることは、基準金利の上昇により米ドルが上昇している時期において、もう1つのポジティブな兆候である。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。