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<写真:Khmer Times>
カンボジア中央カルダモン山地が野生生物の「生命の聖域」であることが最新調査により確認された。
カメラトラップによる初の包括的調査は、カルダモンが生物多様性の世界的な拠点であり、希少かつ絶滅危惧種の生息地であることを明らかにした。
環境省、アメリカ国際開発庁(USAID)、国際自然保護連合(CI)などの協力を得て発表された報告によると、今回の調査では65種の鳥類、38種の哺乳類、5種の爬虫類を含む計108種の生物が記録された。
そのうち23種は国際自然保護連合(IUCN)レッドリストで「危急種」以上に分類されている。
特に注目すべきは、絶滅危惧種であるスンダセンザンコウやアジアゾウ、カンボジア国内で数少ない捕食者の1つであるドール(Cuon alpinus)などの記録である。
ドールのほかにも野生のイノシシやホエジカなど豊富な獲物が生息し、地域の生態系のバランスが確認された。
調査はさらに、アジアゾウ、ウンピョウ(Neofelis nebulosa)、マーブルキャット、ベンガルヤマネコ、マレーグマ、ツキノワグマなどの希少な種を捕捉した。
これにより、カルダモン山地が多様な生物にとって重要な保護地であることが裏付けられた。
調査を主導したCIの研究リード、タウン・レット氏は「この結果は中央カルダモン山地が地球規模で重要な生物多様性ホットスポットであり、保全の優先地域であることを示している」と述べた。
また、今回確認された108種はこの地域の一部を反映するに過ぎず、昆虫や樹冠に生息する鳥類、水生生物などは含まれていないため、さらなる研究が必要であるとも指摘した。
CIの国別ディレクター、オム・ソニー氏は、この調査が将来的な野生動物の個体数監視のための重要な基礎を築くと述べ、保全の重要性を強調した。
調査期間中、147台のカメラトラップが設置され、5万5000本の動画と2万2200枚の画像が収集された。このデータは、2023年2月から12月までの調査結果に基づいている。
環境大臣のイーング・ソパレット氏は、調査結果の意義を強調し「カンボジアの森は単なる景観ではなく、地球上の多様な生物種のための重要な聖域である」と述べた。
また、これらの保全活動がカンボジア政府の「五角戦略」と生物多様性条約に基づくコミットメントにとっても不可欠であると語った。
ソパレット氏は「私たちの生物多様性を保護することは義務であるだけでなく、持続可能な発展と環境管理に対する私たちの献身の証である」と述べている。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。