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<写真:khmertimeskh>
カンボジア公共事業運輸省の発表によると、2033年までのインフラ開発総合計画の実施に約360億ドルの資金が必要である。
この資金は、2023年から2027年の短期・中期プロジェクトおよび2028年から2033年の長期プロジェクトに分けられた計画に充てられる。
同省が発表した「2024年上半期報告書」によると、この総合計画は優先順位の高い174のプロジェクトを特定しており、その内訳は道路プロジェクト94件、鉄道8件、河川輸送23件、海上輸送20件、航空輸送10件、物流関連15件、その他4件となっている。
計画は短期・中期プロジェクトの90件と長期プロジェクトの91件に分かれており、一部のプロジェクトは両期間にまたがって実施される予定である。
ペン・ポネア公共事業運輸大臣は「2023–2033年総合輸送・物流システム計画(CITLS)」の着実な実施により、満足のいく成果が得られていると述べている。
また、この計画は2015–2025年産業発展政策や「五角戦略」第1段階を基に、持続可能かつ包括的な社会発展を目指しているとした。
ポネア大臣によると、この計画は国内外の交通網の連携強化を目指すものであり、物流コスト削減や経済成長促進、社会の多様なニーズに応えることを目指している。
計画の目標として、輸送インフラの拡充・改善、サービス効率の向上、国家発展政策の支援、物流コスト削減が掲げられている。
経済学者のドゥック・ダーリン氏は、インフラ開発がカンボジア国民の生活水準向上に寄与すると指摘した。
特に、地方住民が医療や教育機関へのアクセスを得やすくなることで、学校の中退率低下や健康改善が期待されるという。
また、交通網の改善により移動コストや時間が削減され、国内外市場へのアクセスが向上し、経済成長を促進するとした。
ダーリン氏はさらに「観光業の発展、雇用創出、農産物の市場流通改善もインフラ整備による恩恵の一部である」と述べるとともに、インフラ整備に必要な資金調達手段として、将来的にインフラ債の発行も検討すべきであるとの見解を示した。
報告書によると、プロジェクトの実施には政府予算や国際開発パートナーによる支援、さらに官民連携(PPP)が活用され、インフラ債の発行などの新たな資金調達方法も模索される見込みである。
CITLS 2023–2033計画は2023年8月にカンボジア政府により正式に承認され、これまで個別に存在していた陸路、鉄道、水路、空路、港湾、物流計画を統合した初の包括的なマスタープランとなっている。
この計画はカンボジアの次世代の交通インフラ発展を導く「羅針盤」として期待されている。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。