おすすめのプロモーション
<写真:Khmer Times>
バンコク中心部でカンボジア野党の元議員であるリム・キムヤ氏(73)が射殺された事件において、タイ警察は逮捕された銃撃犯が事件の首謀者に関する情報提供を拒否していることを明らかにした。
容疑者は自身や家族の安全を理由に供述を控えており、捜査が難航している。
容疑者のエッカラック・ペーノイ(42)は元海兵隊員であり、犯行を認めたが、背後に存在する人物や共犯者についての詳細を語ろうとしていない。
タイ警察第1管区のアタポン・ウォンシリプリータ司令官は「情報提供が一部関係者に影響を及ぼす可能性を容疑者が恐れている」と述べ、供述拒否の背景には深い事情があるとの見方を示した。
リム・キムヤ氏は1月9日、家族とともにバンコクのプラナコーン地区を訪れた際、ワット・ボウォニウェート・ウィハーン付近で銃撃を受け死亡した。
監視カメラの映像に基づいて特定されたエッカラック容疑者は、翌日カンボジアのバッタンバン州で逮捕され、タイへ送還された。
エッカラック容疑者は逮捕後も非協力的な態度を貫いており、事件現場での再現にも応じていない。
母親との面会でも「刑務所で罪を償いたい」とだけ語り、具体的な供述を避けたとされる。
リム・キムヤ氏はカンボジア救国党(CNRP)の元国会議員で、2017年に同党が解散されて以降もカンボジア国内に留まっていた数少ない野党指導者の1人であった。
そのため、今回の事件については政治的動機が存在する可能性が指摘されている。
カンボジアの元野党指導者サム・レンシー氏は、事件の背後に元首相フン・セン氏や政府の関与があると非難する発言を行った。
しかし、カンボジア政府および与党カンボジア人民党(CPP)はこの主張を否定し、根拠のない憶測にすぎないと一蹴している。
国際人権団体や政治観察者は、公正かつ徹底的な調査を求める声を上げているが、エッカラック容疑者の供述拒否が捜査の妨げとなっており、事件の全容解明には依然として時間がかかる見通しである。
一方、キムヤ氏のフランス人の妻は遺体をフランスへ送る意向を示しており、現在遺体はバンコクのワチラ病院に安置されている。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。