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<写真:Khmer Times>
カンボジア政府は27日、人工知能(AI)を活用した観光支援システム「デジタルトラベルプラットフォーム」を正式に発表した。
発表の場となったのは、プノンペンのソカ・プノンペンホテルで開催された「第3回国家科学技術革新の日(STI Day 2025)」の式典であり、ソック・チェンダ・ソピア副首相と工業・科学技術・イノベーション大臣であるヘム・ヴァンディ氏が出席した。
このプラットフォームは、中国の北京易言科技発展有限公司との協力により開発されたものである。リアルタイムの混雑状況の提供、旅行政策の更新、利用者の嗜好に基づいた観光地の推薦といった機能を備える。
さらに、拡張現実(AR)技術を活用した文化情報の提供に加え、ホテル、ガイド、交通手段、観光地チケットの予約など、多岐にわたるサービスが統合されている。
同社プロジェクトマネージャーである何燕莉氏は「まずはカンボジアを起点として、中国からの観光客がASEAN諸国を訪問する際に活用できるアプリを開発した」と述べた。
アンコール・ワットをはじめとする遺跡群のチケット予約機能も搭載しており、中国人旅行者に加え、地元住民や他国からの訪問者も対象とした設計となっている。
ヴァンディ大臣は、科学技術の進展がカンボジアの経済成長および公共サービスの質の向上に大きく寄与すると強調した。
一方で、インフラ整備、倫理的枠組みの構築、人材育成への投資といった課題にも取り組む必要があると述べた。
さらに何氏は、外国のハイテク企業がカンボジアで長期的なビジネス展開を実現するためには、政府による支援が不可欠であると指摘した。
財政的支援にとどまらず、戦略的計画の策定や政策環境の整備が求められているとし、工業・科学技術・イノベーション省(MISTI)との連携に期待を寄せた。
このプラットフォームの特徴は観光支援にとどまらず、旅行者の動向に関するデータを政府の政策立案にも活用できる点にある。
年内には10万人の登録者獲得を目指しており、中国人観光客を中心に、国内外の幅広い利用が見込まれている。
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