カンボジアの輸出、逆風の中で堅調に拡大

カンボジアの輸出、逆風の中で堅調に拡大
2025年04月15日(本日)00時00分 公開
カンボジアの輸出、逆風の中で堅調に拡大

<写真:Khmer Times>

 

カンボジアの2025年初頭における輸出は、主要貿易相手国の経済成長の鈍化や世界的な貿易障壁の高まりといった逆風にもかかわらず、力強い伸びを示した。

 

カンボジア商業省がまとめた統計によれば、1月から2月にかけての輸出総額は68億7500万ドルとなり、前年同期比で9.8%の増加となった。

 

輸出先では米国が引き続き最大の市場であり、全体の35%を占める24億2600万ドルに達した。これに次ぐのはベトナムで12億6700万ドル、中国が3億4800万ドルと続いた。

 

主要な輸出品目は、縫製品、機械類、電気機器、履物、皮革製品、穀物、家具、ゴム、果物、野菜、真珠、玩具、繊維製品など多岐にわたっており、カンボジア産品の多様性と競争力を物語っている。

 

商業省のペン・ソヴィチェート報道官兼政務次官は、今回の輸出拡大について「カンボジア製品が欧米諸国やRCEP加盟国を中心に、国際市場で高い需要を得ている結果である」と述べた。

 

また、地域の政情不安により一部の工場がカンボジアへ移転したことも、投資および輸出の増加につながったと分析している。

 

カンボジア商工会議所のリム・ヘン副会頭も、政治的安定に加え、新たな投資法や自由貿易協定(FTA)の存在が投資と生産の拡大を後押ししていると指摘した。

 

特にカンボジア・中国FTA、カンボジア・韓国FTA、そして地域的な包括的経済連携(RCEP)といった協定の効果が大きいとされる。

 

一方で、輸入も活発であり、1〜2月の輸入総額は75億7300万ドルとなり、前年同期比で21.5%の増加を記録した。

 

これにより、国際貿易総額は144億4900万ドルとなり、前年から15.6%の拡大となった。主な輸入品は、医薬品、健康補助食品、消費財、飲食品などである。

 

アジア開発銀行(ADB)が4月9日に発表した「アジア経済見通し」2025年4月版によれば、カンボジア経済は外需と観光業の回復に支えられ、2025年は6.1%、2026年には6.2%の成長が見込まれている。

 

建設や不動産分野も緩やかに回復し、農業分野においても成長が続く見通しである。

 

ただし、今後の懸念材料としては、関税の影響による輸出の減速、主要貿易相手国の経済低迷、不良債権の増加による金融セクターへの影響、さらには異常気象などが下振れリスクとして指摘されている。

 

 

 

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