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<写真:khmertimeskh.com>
カンボジア西部バンテイメンチェイ州の国境地帯において、タイ軍がカンボジア人居住地に鉄条網を設置し、住民に対して退去を命じたことを受け、カンボジア政府は9月4日、タイ政府に対して外交的抗議を行った。
現地では、住民とタイ軍・警察との間で小規模な衝突が発生しており、情勢は緊張の度を強めている。
発端となったのは、タイ側サケーオ県知事による行動である。
同知事は、170世帯のカンボジア人住民に対し、「タイ領内に不法に居住している」として、立ち退きを求める看板を設置した。
掲示はタイ語、英語、クメール語で記載されたものの、クメール語の表記が不明瞭であったため、住民の強い反発を招いた。
これを受け、カンボジア側のオウム・レアトレイ州知事は、国境問題はカンボジア・タイ合同国境委員会(GBC)および土地境界画定合同委員会(JBC)の枠組みに基づいて協議すべきであると主張し、タイ側に対して一方的措置の即時中止を求めた。
両国は2000年に国境画定に関する覚書(MOU)、1995年には国境協力協定を締結しており、今回の行為はこれらの取り決めに反するとしている。
カンボジア外務省も声明を発表し、タイ軍による境界地帯での鉄条網やバリケードの設置が、現地住民の生活を著しく脅かしていると指摘した。
その上で、国際法および二国間合意に基づいた平和的解決を求め、国際社会の支持を訴えている。
同省はこれまでに3度にわたり外交抗議文をタイ政府に提出しており、同問題について国連やASEANなど国際機関にも働きかけを行っている。
さらに、フン・マネット首相は中国の習近平国家主席や国連のアントニオ・グテーレス事務総長らと会談し、第三者による停戦監視機構の導入を含む多国間による解決支援を要請した。
上院議長のフン・セン氏も国際社会との対話を通じ、カンボジアの領土保全と主権の尊重を重ねて強調している。
カンボジア政府は、今後も既存の国際的枠組みと法的合意に則り、タイとの国境紛争の平和的かつ持続可能な解決を追求していく方針である。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。