おすすめのプロモーション

<写真:khmertimeskh.com>
カンボジアとタイの間で続いている国境問題に関して、両国はカンボジア・ココン州において開催された国境総合委員会(GBC)会合で、重火器の撤去やASEAN監視団の設置といった緊張緩和策について合意に達した。
しかし、停止中の国境検問所の再開を巡っては、タイ軍部の反発が依然として交渉の大きな障害となっている。
今回のGBC会合では日本の後押しもあり、両国が陸路国境検問所の再開問題について初めて正式に協議した。
日本は地域の物流や経済活動の正常化に向けて、国境再開の重要性を強調し、双方に働きかけを行った。
これを受け、タイ政府も第三国からの要請を考慮し、物資輸送に限って一部の国境を開放する意向を表明した。
しかしながら、タイ東北部を管轄する第2軍管区司令官ブンシン中将は、国境の再開について「カンボジア側の利益にしかならず、タイ兵にとっては不利益となる」と強い懸念を表明し、再開に反対する姿勢を明確にした。
また、カンボジア側の軍が国境から撤退しない限り、国境再開の意味はないとの認識も示した。
一方、カンボジア政府は、タイ側が先に検問所を開放すれば、自国側は4時間以内にすべての国境検問所を再開する準備があると表明している。
フン・マネット首相やフン・セン上院議長は、国境の閉鎖はタイ側の一方的な決定であり、カンボジアはこれに対して対等な対応をとっているにすぎないと主張している。
カンボジア国際関係研究所のキン・ピア所長は「国境閉鎖による影響はカンボジア側では限定的であり、交渉において優位に立っている」との見解を示した。
そのうえで、タイ国内における軍と政府の方針の不一致が、両国間の信頼回復を阻害する最大の要因になっているとの分析を加えた。
今回の合意は、両国関係における緊張緩和に向けた前進ではあるものの、タイ軍部と政府との間で依然として温度差がある状況が、国境再開の実現を妨げる構造的な問題として浮き彫りになっている。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。