フナン・テチョ運河プロジェクト、年末にも掘削開始へ

フナン・テチョ運河プロジェクト、年末にも掘削開始へ
2025年10月24日(金)00時00分 公開
フナン・テチョ運河プロジェクト、年末にも掘削開始へ

<写真:khmertimeskh.com>

 

カンボジア政府は国内最大級の水運インフラ事業である「フナン・テチョ運河(FTC)」の掘削工事を、11月下旬から12月初旬に開始する方針を明らかにした。

 

公共事業運輸省の報道官によれば、現在は用地取得や影響調査が進行中であり、工事全体の進捗に遅れは見られないという。

 

同運河は全長180kmに及び、カンダル州、タケオ州、コンポット州、ケップ州の4州を貫通する計画である。

 

メコン川とカンボジア南部の海域を直接結び、3000重量トン級の船舶が航行可能な水路を整備するものであり、2028年の完成が予定されている。

 

完成後は農産物や工業製品の物流効率が大幅に向上する見通しである。

 

この事業は単なる輸送インフラにとどまらず、水資源管理、灌漑、農業、観光、都市開発など多分野に波及効果を及ぼすとされ、政府は国家経済の成長基盤の1つとして位置付けている。

 

2030年までに中所得国上位、2050年までに高所得国入りを目指す国家目標に沿った、戦略的な投資とされている。

 

事業は官民連携(PPP)方式で実施され、カンボジアと中国の企業連合が参画する。

 

総事業費は約11億5000万ドルに上り、出資比率はカンボジア側が51%を保有し、中国側が49%を担う。

 

BOT(建設・運営・譲渡)方式に基づき、完成後は一定期間の運営を経た後、運河はカンボジア政府に移管される予定である。

 

カンボジア王立研究院の経済研究者は「この出資構造は地域諸国でも広く採用されており、国内資本による主導権を維持しつつ、外国資本の技術と資金を活用する好例である」と評価している。

 

本事業はフン・セン元首相による長期構想に基づく国家プロジェクトであり、現職のフン・マネット首相のもとで着実に進行している。

 

運河の完成により、国内水運網の統合と近代化が進み、地域間物流の効率化、輸送コストの削減、さらには雇用創出が期待されている。

 

 

 

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