カンボジア政策アナリスト、日本のイノベーションと教育モデルから教訓を強調

カンボジア政策アナリスト、日本のイノベーションと教育モデルから教訓を強調
2025年10月23日(木)00時00分 公開
カンボジア政策アナリスト、日本のイノベーションと教育モデルから教訓を強調

<写真:khmertimeskh.com>

 

カンボジア政府系シンクタンク「ロイヤル・アカデミー・オブ・カンボジア」の政策アナリストであるセウン・サム氏は、10月5日から11日にかけて行われた日本への研修訪問を通じ、同国のイノベーションおよび教育・行政モデルがカンボジアに与える示唆について語った。

 

今回の訪問は在カンボジア日本大使館の主催によるもので、サム氏は東京において、日本国際問題研究所(JIIA)傘下の「領域・歴史センター」に所属する高地雅夫氏らと意見交換を行った。

 

サム氏は日本の外交政策が多国間協力、人間の安全保障、ソフトパワーを重視しており、これがカンボジアに対するインフラ整備、技術訓練、能力構築支援といった実務的支援に結び付いている点に注目した。

 

また、日本社会に根付く「規律」および「市民責任」の文化が、効率的な労働力と秩序ある社会環境を形成し、それが経済生産性の基盤となっていると評価した。

 

さらに、大学・産業界・公共部門の連携による研究・教育・産業振興の仕組みが、グリーンエネルギー、ロボティクス、デジタル化といった先端分野の技術革新を推進している点にも言及し、同様の協働体制がカンボジアでも求められているとした。

 

カンボジアにとっては、天然資源に限界がある中で人的資本への戦略的投資が持続的成長を左右するとされており、製造業やデジタル産業への経済多角化を進める上で、日本の発展モデルは重要な参照例であると述べた。

 

また、若年人口が増加している国内の状況を踏まえ、職業訓練、継続教育、イノベーション重視型プログラムの強化が不可欠との分析を示した。

 

加えて、都市計画、廃棄物管理、防災対策といった分野における日本の取り組みは、環境保全とインフラ・産業成長を両立させる好例であり、持続可能な発展のための政策設計において参考になるとした。

 

サム氏はカンボジアの近代化に向けては、規律あるガバナンス、教育改革、外交関係の強化が鍵を握るとし、「日本とのパートナーシップは、これらの教訓を国家戦略に組み込み、持続可能な発展とグローバル競争力の強化を支えるモデルを提供する」と結論づけた。

 

今後は、今回の訪日研修で得られた知見をいかに具体的な政策へと落とし込むかが、カンボジア政府関係者、産業界、教育界にとっての重要な課題となる。

 

 

 

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