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<写真:khmertimeskh.com>
カンボジア国立銀行(NBC)とシンガポール金融管理局(MAS)は、デジタル決済の地域連携を強化する取り組みの一環として、QRコードを活用した越境決済システムの第1フェーズを開始した。
この発表は、2025年にシンガポールで開催されたフィンテック・フェスティバルの場で行われたものである。
今回実施された第1フェーズでは、カンボジアの利用者が自国通貨リエルでシンガポールのQRコード(SGQR)対応店舗においてリアルタイムで支払いが可能となる。
支払いは、カンボジア国内のデジタル決済基盤である「バコン」アプリ、もしくは対応するモバイルバンキングアプリを通じて行われる。
この越境決済システムにより、現金や国際クレジットカードを必要としない迅速・安全かつ低コストな決済手段が提供されることで、観光、貿易、投資などの分野で相互交流の促進が期待されている。
実務面では、アクレダ銀行、フィリップ銀行、リキッド・グループが連携しており、民間部門の関与も大きな役割を果たしている。
NBC総裁チア・セレイ氏は「本取り組みは包括的なデジタル経済構築への重要な一歩であり、地域協力を通じた持続可能な成長を支えるもの」と述べた。
今後の展開としては、第2フェーズでシンガポールの利用者がカンボジアのQRコード(KHQR)をスキャンして支払いができる仕組みの導入が予定されている。
また、カンボジア国立銀行は中国のテンペイ・グローバル(テンセント傘下)と金融協力に関する覚書を締結し、カンボジアの「バコン」システムと中国の「ウィーチャットペイ」との間で相互運用性を高め、越境送金および決済の効率化を図る方針を明らかにした。
こうした両国の連携は、ASEAN地域におけるデジタル決済インフラの相互接続性を高める取り組みの一環であり、カンボジアはこれまでもタイ、ベトナム、ラオス、日本との間で同様の枠組みを展開してきた実績を持つ。
アクレダ銀行は本事業のスポンサー銀行としてNBCより指名されており「地域間決済の相互運用性に向けた重要な一歩である」とその意義を強調している。
このような一連の動きは、カンボジアがASEAN地域におけるデジタル金融革新の先導的存在として存在感を強めていることを示している。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。