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<写真:khmertimeskh.com>
カンボジア内務省は1月6日、同国有数の複合企業「プリンス・ホールディング・グループ」の創業者で会長を務める陳志(チェン・ジー)氏を含む中国人3人を逮捕し、中国当局の要請に基づき中国へ送還したと発表した。
今回の措置は、国境を越えた犯罪捜査に関する両国当局の数カ月に及ぶ共同調査の結果であるとされている。
内務省によれば、陳氏は2025年12月、カンボジア国籍法に基づく王令によりカンボジア国籍を剥奪されていた。内務省副報道官のトゥーチ・ソックハク氏は、中国からの正式な要請に応じ、十分な捜査を経て逮捕・送還が行われたと説明している。
陳氏が率いてきたプリンス・ホールディング・グループを巡っては、国際的な特殊詐欺および資金洗浄への関与が指摘されている。
2025年10月には米財務省および英国政府が同グループおよび陳氏らに対して経済制裁を科しており、米財務省は、同グループがカンボジア国内外に拠点を設け、投資詐欺や資金洗浄を通じて巨額の不正収益を得ていたと断じている。
報告によれば、カンボジア国内には約10か所の詐欺拠点が存在し、そこで作業員を監禁し、詐欺行為に従事させていた疑いもある。2024年の米国における東南アジア拠点の詐欺による被害総額は少なくとも100億ドルに上り、前年から66%増加したとされる。
陳氏は中国からの移民としてカンボジアで不動産事業などを拡大し、同国の国籍を取得した後には、フン・セン前首相やフン・マネット現首相の私設顧問を務めていたとされる。こうした経緯から、詐欺組織と国家中枢との癒着を疑問視する声が国際的に強まっている。
周辺国でも同様の摘発が進んでおり、タイ当局は詐欺関連の資金洗浄に関する捜査の一環として、カンボジアの有力実業家で上院議員のリー・ヨン・パット氏やコック・アン氏に対する捜査を進め、不動産や車両など多数の資産を押収した。シンガポール、台湾、韓国でも関連拠点の摘発や資産凍結が相次いでいる。
一方、国際調査団体は、カンボジアにおける詐欺組織が政府および与党と結びつき「国家ぐるみ」で保護されてきた構造が存在すると指摘している。専門家からは、今回の送還が象徴的な前進である一方で、権力中枢に近い利権構造が今後の捜査の障害となる可能性も否定できないとの見解が示されている。
陳氏の中国送還を契機として、国際社会によるカンボジア発の特殊詐欺に対する包囲網がどこまで実効性を持ち得るのか、今後の展開に注目が集まっている。
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