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29日、フン・セン首相は、労働者の前で、労働者が一方的に最低賃金の引き上げを要求するような会社は倒産に追い込まれ、カンボジア国内からの撤退を迫られると警笛を鳴らした。
フン・セン首相は、プノンペンで数千人の労働者を前に演説を行い、最低賃金上昇には様々な影響が伴い、それらを考慮しなくてはならないと述べた。
首相は「仮に賃金を上昇させてしまうと雇用主はカンボジアから撤退してしまう。最低賃金を上昇させ続けたら雇用主たちはカンボジアに残る理由がないうえ、残り続ければ倒産に追い込まれ、結局カンボジアから撤退することになる」と語った。
衣服や織物、履物の製造工場で働く労働者の2018年の最低賃金は月170ドル(約1万8000円)だ。
今月初旬、労働大臣やその他関係者は2019年の最低賃金について話し合いを始めた。
労働省は、雇用主と労働組合と行った話し合いで「全労働組合は新たな最低賃金を決める際、家族のステータス、インフレーションの程度、経済的な指標などの社会的な基準を参考にしなければならない」と述べたという。
また、労働省は「経済的な基準には生産性、他国との競争具合、労働市場の状況、利益の量、貧困レベルなどが含まれる」と述べた。
29日、フン・セン首相は、バングラデシュの最低賃金は67ドル、スリランカでは140ドル、インドでは143ドル、ミャンマーでは108ドル、ベトナムでは175ドル、ラオスでは133ドルだと強調した。
首相は、労働省は団体や雇用主と共に2019年度の適切な最低賃金を決める必要がある、労働者の賃金を無理に上昇させた会社は経営難に陥る可能性があるためだという。
フン・セン首相は今回の最低賃金引き上げに関して、比喩を用いて「にわとりを殺してはならない、卵を産むのはにわとりなのだから」と語った。
また、フン・セン首相は、カンボジア政府は工場で働く労働者に対し、雇用主が賃金未払いで逃走した際には政府が計2200万ドル(約24億円)を補償金として支払ったと述べた。
政府は雇用主にも争いを避けるために工場の所有者にも補償金を支払うように差し迫っているという。
カンボジア労働者団体であるCoalition of Cambodian Apparel Workers Democratic UnionのAth Thorn代表は、独自に調査を行って最低賃金に関する話し合いで調査結果を報告することを計画している。
同氏は「我々団体は生活費に関する独自の調査を実施し、今月末、国際的な団体との話し合いで計画を話すつもりだ」と語った。
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