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<写真:AFP>
自由権規約人権委員会によると、カンボジア国内の刑務所に収容されている囚人の数は、2015年の倍以上の3万8977人となり、寝床や新鮮な空気、衛生的な水が不足する事態に陥っている。
同委員会の報告によると、2020年6月1日〜2021年5月31日までの期間で、刑務所の定員が343%の収容能力で運営されていることが明らかになったという。
この報告は9月に結論づけられ、先週、ジュネーブで「拷問及び他の残虐な、非人道的な又は品位を傷つける取り扱い又は、刑罰に関する条約」の元、議論がなされた。
報告では、「このような刑務所の状況は、囚人が経験する精神的及び肉体的苦痛のレベルを考えると、残虐で非人道的、または品位を傷つける」と指摘。
さらに、寝床の不足や衛生的な水、新鮮な空気と医療へのアクセスが制限されていると述べている。
また、拘留中に死亡した際にも報告されず、調査が行われなかったケースについても言及した。
ラジオ・フリー・アジア(RFA)の報告によると、Chin Malin司法省副長官は、同省は未処理訴訟を減らし、執行猶予や裁判まえに勾留されていた一部を釈放することにより、刑務所の過密状態を軽減するために働いたと述べた。
内務省刑務所総局のNuth Savana報道官は、刑務所の過密状態が昨年から減少したとRFAに話した。
同省は、囚人数は2021年の約3万9000人から、2022年は2000人減少したと報告している。
また、刑務所では多くの井戸が掘られたといい、施設内の水不足にも取り組んでいるとした。
カンボジアは、囚人の苦境を無視していると人権団体から非難されてきた。
カンボジア人権開発協会のNy Sokha会長は、RFAに対して刑務所の過密の原因は、薬物使用者の増加である可能性が高いと伝えた。
また、「過密状態を解決できなければ、囚人の健康や精神状態に影響を与える可能性があり、釈放された時に良い人材になることはできない。囚人が病気になったり衰弱性疾患を患ったりしているため、この状況は囚人にとっても社会にとっても良くない状況だ。」と続けた。
2020年4月、国際人権NGO「アムネスティ」は、カンボジアの刑務所で囚人が過密状態で一室に詰め込まれている様子を撮ったビデオ映像を公開していた。
この問題に関する国連会議は今月25日まで続く予定である。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。