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<写真:Khmer Times>
タイ政府は格闘技「ムエタイ」について、5月の東南アジア競技大会「SEA Games」でタイ語の名称ではなくクメール語の名称を使用する計画があることに反発し、24日にボイコットを発表したが、その後に撤回したという。
ラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。
ムエタイはタイの国技として世界中に広く知られているが、カンボジアの大会組織委員会が競技の発祥地はカンボジアであるとして、「ムエタイ」から「クンクメール」へと名称を変更し、両国の間に対立が発生した。
この対立はタイに本拠を置く国際ムエタイ連盟が「東南アジア競技大会のクンクメールに参加する国には罰金を科し、今後のムエタイイベントの開催や参加を禁止する」と表明し、激化していた。
カンボジアの東南アジア競技大会組織委員会の幹部バット・チャムロン(Vath Chamroeun)氏によると、カンボジア側が「クメール語の名前をクメール武術の名前に使用しても、タイのスポーツの名前や形態に影響はない」と説明した後、タイ側が抗議を取り下げたという。
競技の開催にはASEAN加盟国のうち4か国の同意を得る必要があり、カンボジアの他にラオスやミャンマー、マレーシア、インドネシア、フィリピン、ベトナムの6か国がすでに参加を表明しているため、タイの抗議に関わらず開催には問題のない状態となっている。
この競技の名称をめぐる争いは今回発生したものではなく、2011年にも流血騒動に発展したことがある。
この対立に関して総合格闘技のニュースを扱う「Asian MMA」は、「2つのスポーツは基本的に同じものであるが、ムエタイが世界的に認知されているのに対し、クンクメールはカンボジア以外では全く知られていない」と伝えている。
また、「ムエタイ」と「クンクメール」のルールは同様で、採点方法に若干の違いがあるという。
「Asian MMA」によると、この名称問題は以前も東南アジア競技大会で対立を引き起こしており、2005年にはキックボクシングが「ムエタイ」とされたことに対してカンボジアが抗議し、チームの派遣を拒否している。
また、1995年にはASEAN会議でカンボジアが「この競技にはタイに加え、ラオスやミャンマーにも起源がある」と主張し、公式名称を「ソバナフム・ボクシング(Sovannaphum Boxing)」や「シーボクシング(SEA Boxing)」へ変更するように請願していた。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。