カンボジアの2023年経済成長率、5.2%に据え置き:世界銀行

カンボジアの2023年経済成長率、5.2%に据え置き:世界銀行
2023年04月03日 14時56分 公開
カンボジアの2023年経済成長率、5.2%に据え置き:世界銀行

<写真:Khmer Times>

 

世界銀行が3月30日に「東アジア・太平洋地域半期経済報告書(2023年4月版)」を発表し、多くの周辺諸国における経済成長率予測が下方修正される中で、カンボジアの経済成長率予測が5.2%として据え置きの予測となっていることが明らかになった。

 

クメールタイムズ(電子版)が報じた。

 

2022年10月の予測で2023年に6.7%の成長が見込まれていたベトナムは6.3%、タイは4.1%から3.6%へと予測が引き下げられている。

 

また、ラオスは3.8%から3.9%、マレーシアは4.2%から4.3%にわずかながら上方修正され、インドネシアは5.1%から4.9%、フィリピンは5.8%から5.6%に下方修正された。

 

カンボジアはベトナムとフィリピンに次いで、東南アジア地域で3番目に速い成長率を示している。

 

同報告書によると、東アジア・太平洋地域(EAP)途上国の成長が中国経済の再開に伴って加速すると予測されているが、その他地域における大半の経済が昨年の強い回復から成長ペースが鈍化する。

 

地域全体の経済パフォーマンスは堅調であるが、2023年は世界的な成長の鈍化や商品価格の上昇、持続的なインフレに対応した金融環境の引き締めによって抑制される可能性がある。

 

中国の経済活動再開で同国の成長率が2022年の3%から5.1%のペースに回復することにより、EAP途上国の成長率は2022年の3.5%から2023年には5.1%に加速すると予測されている。

 

中国以外の地域の成長率はインフレと一部の国における家計債務の増加が消費を圧迫するため、パンデミック後の強い回復を示した2022年の5.8%から2023年は4.9%に減速するという。

 

世界銀行の東アジア・太平洋地域統括であるマヌエラ・フェッロ副総裁は「大半のEAP主要国がパンデミックの困難を乗り越えたが、今後は変化した世界情勢を乗り切らなければならない。勢いを取り戻すためにイノベーションと生産性の向上、より環境に優しい回復のための基盤を整備する作業が残されている」と述べている。

 

世界銀行は世界中で進行する構造的な成長減速によって、現在の傾向では2023年の世界経済成長率は30年ぶりの低水準に落ち込むと予想しており、同報告書によると、1990年代初頭から成長と繁栄を支えてきたほぼ全ての力が弱まっている。

 

投資と生産性の成長率は低下し、世界の労働力における高齢化が着実に拡大しているという。また、国際貿易の成長は2000年代初頭よりもはるかに弱くなっている。

 

しかし、カンボジアやインドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、パプアニューギニア、フィリピンといったEAP地域の経済は依然として人口ボーナスの状態にあり、生産年齢人口の増加が見込まれるカンボジアやラオス、パプアニューギニアでは、十分な雇用が創出れれば、引き続き人口ボーナスを享受することが可能である。

 

EAP地域で最も生産年齢人口の割合が減少するのは中国であると予想されている。

 

同地域の大規模な経済圏のうち、インドネシアやフィリピン、ベトナムを含む大半の国が2023年には2022年よりも緩やかな成長になる可能性が高い。

 

同地域の大半の国で他地域よりも高く安定した成長が20年に渡って続いており、貧困が顕著に減少し、この10年では不平等も減少したが、近年になって生産性向上と構造改革のペースが鈍化したため、先進国の一人当たり所得水準への追随は停滞している。

 

また、同地域は沿岸部に人口と経済活動が密集しており、気候変動リスクの影響を強く受ける。

 

世界銀行のチーフエコノミストであるアーディシャ・マットゥー氏によると、脱グローバル化や高齢化、気候変動が貿易によって繁栄してきた同地域の成長見通しに影を落としている。

 

成長を強化するためには、貿易の促進や人口動態への対処、気候変動への耐性を高めることが必要となる。

 

 

 

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