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<写真:Khmer Times>
「EU森林減少フリー製品に関する規則」(EUDR)が、ゴムや家具を中心としたカンボジアの対EU輸出にとって新たな脅威となっている。
EUDRは2023年6月29日に発効し、「世界の森林保護と回復のためのEU行動のステップアップに関するコミュニケーション」で初めて概説された。
ゴムやパーム油、大豆、牛、木材など東南アジアで栽培される様々な商品をはじめ、皮革、チョコレート、タイヤ、家具といった派生商品も、輸出において新規制の影響を受ける可能性が高い。
該当商品をEUに輸出する業者や代理店は、商品が最近伐採された土地に由来しないこと、また森林の劣化に寄与していないことを証明する必要がある。
生産者や企業は、2024年12月まで完全遵守のための時間を与えられている。
インドネシアやマレーシアなどの東南アジアの主要経済国は、同規制は環境保護を名目とした保護主義的な措置であると批判する。
発展途上国の耕作者の大半を占める小規模生産者の生活への影響が懸念される。
パーム油の主要生産国であるインドネシアとマレーシアは、EUDRを「差別的」と称し、マレーシアはEUの規制に対抗して、中国へのパーム油輸出を倍増する意向を示した。
他方で両国は新規制の実施に向けた特別組織を設立し、EUとの協力を模索し続けている。
EUDRは2020年以降に森林破壊された土地での商品栽培を禁止しているため、パーム油生産者は、EUに輸出する自社製品が森林破壊を伴わないことを証明しなければならない。
商品購入者に対しては、広範なデューデリジェンス(適正評価手続き)と報告が求められる。
カンボジアは、新規制下でゴムや家具を中心とした対EU輸出の評価が厳格化することを懸念している。
在カンボジア欧州商工会議所(ユーロチャム)によれば、現地の農家の多くは新規則のデューデリジェンス要件を満たす技術的能力を持っていない。
新規制の下では、製品の生産地の正確な地理的座標や土地使用権、農園登録証明書の提供が必要とされる。
ユーロチャムは、東南アジアのデータ収集・監視システムは複雑で時間がかかる非効率的なものであることを指摘した。
越境貿易が同地域では十分に規制されていないため、混合輸出品の追跡も難題である。
ベトナムはカンボジアから毎年104億円以上のゴムを輸入しており、ベトナムに入ったゴムは現地調達品と混合されてヨーロッパに輸出されるという。
ユーロチャムのMartin Brisson氏は、新規制がゴム製品のマーケティングを改革する好機となると述べた。
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