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<写真:Khmer Times>
英国に本拠を置く非営利団体「Worldwide Veterinary Service(WVS)」が主導した2週間のキャンペーンにより、カンボジアで22万9488匹の犬が狂犬病ワクチンを接種された。
これはアジア最大規模の狂犬病ワクチン接種活動であり、公衆衛生向上に向けた大きな進展である。
キャンペーンは10月21日から11月4日にかけて実施された。
これは「Mission Rabies」の一環としてカンボジアの「狂犬病制御・撲滅に向けた国家戦略計画」と密接に連携した取り組みである。
カンボジア農林水産省家畜衛生生産総局(GDAHP)および「アニマルレスキューカンボジア」と協力し、人間と動物双方を致死性のウイルスから守ることを目的とした。
活動はプノンペン、カンダル、バッタンバン各州にわたる約300のワクチン接種チームが展開し、地域社会での接種を通じて感染拡大の防止と特に子どもを中心とした人間へのリスク軽減を図った。
この取り組みは2023年に実施されたプノンペンとカンダルでの7万4983匹の犬への接種キャンペーンが土台であり、2024年に向けた拡大計画に寄与している。
WVSのCEO兼創設者であるルーク・ギャンブル博士は「狂犬病撲滅が現実のものになる可能性をこの活動が証明した」と述べている。
2013年にMission Rabiesが設立された際には、30日間で6万匹の犬にワクチン接種するという目標が掲げられたが、その後10年で目覚ましい進展を遂げてきたという。
今回のカンボジアでの活動では、4日間で8万2000匹を超える犬に接種を行い、最終的にわずか2週間で22万9488匹に到達した。
これは献身的なチームと獣医師たちの協力の賜物であり、特に子ども約500人の命を救う成果が期待される。
カンボジアでは狂犬病が深刻な公衆衛生問題であり、特に子どもに大きなリスクをもたらしている。
世界保健機関(WHO)によれば、人間の狂犬病症例の99%以上は犬の咬傷によるもので、15歳未満の子どもが全世界の死亡例の40%を占めている。
カンボジアは狂犬病死亡率が世界で最も高い国の1つとされており、大規模なワクチン接種と啓発活動が重要である。
Mission Rabiesは、犬の70%以上にワクチンを接種することで、狂犬病の伝播を抑え、人間への感染を防ぐことを目指している。
キャンペーン期間中、チームは訪問活動を通じて指定地域内の動物を対象にワクチンを接種した。
また、WVSは独自の「Rabies App」を活用し、チームへの地域割り当てや接種数の記録、リアルタイムデータ管理を実現した。
このデジタルツールは効率的な資源配分と将来の取り組みに向けたデータ蓄積を可能にしている。
さらに、学校や職場、地域コミュニティで啓発活動を行い、狂犬病予防の重要性や年次ワクチン接種の必要性について広く情報を発信した。
WVSの国際プロジェクトマネージャーであるエイミー・ニコール・ルイス博士は「犬への大規模なワクチン接種と教育、監視活動を通じて、多くの命を守ること、狂犬病を根絶することが可能である」と強調した。
カンボジアでの同キャンペーンは狂犬病撲滅に向けた取り組みの中で重要な一歩となる。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。