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<写真:Khmer Times>
カンボジア南部のカンポット州が観光地として急速に注目を集めており、上半期の観光客数は国内外合わせて約130万人に達し、前年同期比で30%増加した。
この中には6万2000人の外国人旅行者が含まれており、2018~2019年の水準には及ばないが、パンデミック後の回復が顕著である。
特に注目すべきは、新年カウントダウンの人気スポットとして、シェムリアップに次いで2位にランクインしたことであり、2024年年始には約39万人の旅行者がカンポットを訪れた。
カンポットが急成長を遂げている背景には、州政府と国が協力して進めてきたインフラ整備がある。新たに整備された歩道や川沿いのプロムナード、安全対策として設置された防犯カメラや街灯などの改善が市内全体の魅力を高めている。
さらに、カンポットのシンボルとして設置されたタツノオトシゴ像や巨大な時計、リバーサイドの開発が国内旅行者の間で大きな人気を集めており、ボコール山頂に建設中の巨大仏像も完成後には国際的な観光地としてさらなる注目を集めることが期待される。
観光業界関係者もカンポットへの観光客数の増加を実感しており、カーマ・トレーダーズ・カンポットのオーナーであるスティーブ・ジョリー氏は「国内観光の需要拡大や新たな観光施設の登場が観光客数の増加につながっている」と述べている。
特に若いバックパッカーやデジタルノマド、リタイア層が多く訪れる一方で、高所得者層や家族連れも増加傾向にあるという。
一方、観光のオフシーズンである雨季には町が静まり返ることもあり、業界全体がさらなる成長を目指すには引き続き課題が残る。
12月13日から15日にかけて、カンポットでは2024年の海祭りが開催される。このイベントにはフン・マネット首相夫妻が出席予定で、国内外から多くの観光客や業界関係者が集まる見込みである。
また、観光産業の国際的な商談会である「カンボジア・トラベル・マッチ2024」も同時開催され、観光業界のさらなる発展が期待されている。
プノンペンからカンポットへの道路アクセスも大幅に改善されており、ハイウェイ3号線と41号線の舗装が完了し、プノンペンからカンポットまでの所要時間が約2時間半に短縮された。
また、ベトナムとの国境を越える観光客にとっても利便性が向上しており、今後カンポット国際観光港が完成すれば、さらに多くの訪問者を迎えることが可能と期待されている。
カンポットはアンコールワットを中心とする従来の観光モデルからの脱却を目指しており、観光業界の専門家は「カンボジア全土を巡る旅程の中でカンポットが重要な位置を占めるようになりつつある」と指摘する。
カンポットはハイキングやカヤックなどのアウトドアアクティビティ、地元の料理教室、胡椒農園のツアーなど、多様な体験を提供しており、滞在期間の延長にもつながっている。
観光業界の将来に向けて、カンポットを単なる通過点ではなく「滞在する目的地」として広く宣伝することが重要である。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。