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<写真:Khmer Times>
カンボジアの輸出入貨物取扱量は過去12年間で5倍以上に増加しており、2030年までにさらに倍増する見込みである。
この成長によってカンボジアの物流能力は大きな圧力に直面している。
物流と輸送コストの高さがカンボジアの経済競争力と多角化の主要な障害となっている中、世界銀行は「カンボジアの地域連結性:輸送回廊の潜在力を最大限に引き出す」と題する報告書を発表した。
この報告書はカンボジア政府が掲げる2023年から2033年にわたる「総合輸送物流システム(CITLS)マスタープラン」の実現を支援するための提言を行っている。
報告書では既存の輸送回廊を活用し、物流コストと効率を改善するための短期的な低コスト施策を提案する一方で、大規模インフラプロジェクトを見据えた長期的な投資の必要性を指摘している。
短期的優先事項として、シェムリアップとオヤダオ間の高速道路の改良や、カンボジアとタイ、ベトナム、ラオスを結ぶ東西回廊の開発が挙げられた。
この回廊は「重要であるが未開発のリンク」とされており、道路品質や支線道路、国境施設への投資が域内貿易を活性化する可能性がある。
国内貨物輸送の主流は道路であるが、地方道路の38%、農村道路の10%しか舗装されておらず、アクセス性が制限されている。
また、老朽化したトラック車両(平均使用年数20年以上)が輸送効率と環境負荷の課題となっている。
一方で、内陸水路や鉄道は現在の物流ネットワークにおいて限定的な役割しか果たしていない。
内陸水路輸送の主要拠点であるプノンペン港(PPAP)の容量は2029年までに80%増加する計画であるが、浚渫や港湾の近代化、国境手続きの円滑化が必要である。
鉄道に関しては新型車両の導入、線路の改良、信号システムのデジタル化が効率改善に不可欠である。
報告書はカンボジアの戦略的な地理的位置を踏まえ、道路、鉄道、水路の統合を進めることで輸送コストを削減するとともに、物流の選択肢を多様化し、グローバルサプライチェーンでの地位を強化可能と結論付けている。
また、異なる輸送モードを結びつけるハブの整備が、単一モードへの依存を軽減し、災害時の回復力向上につながると述べている。
世界銀行の提言はカンボジアの物流の現状と可能性を的確に評価し、将来的な持続可能な経済成長への道筋を示すものである。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。