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<写真:Khmer Times>
プノンペンの住宅、オフィス、小売、商業用不動産市場は、2024年と比較してわずかな改善にとどまる見通しである。
不動産コンサルタント企業CBREカンボジアは、プノンペンで開催された投資セミナー「Fearless Forecast」にて、不動産価格の安定化傾向を指摘しつつ、2025年も市場回復が限定的であるとの見方を示した。
2024年のカンボジアの建設投資額は低水準にとどまり、新規プロジェクト数や開発中の総建設面積も減少した。
土地管理・都市計画・建設省のデータによると、2024年第4四半期時点で進行中の建設プロジェクトの19.5%が一時停止しており、前年の13%から増加している。
国内金融セクターにおける流動性不足や不良債権の増加、中国からの資本流入減少が市場低迷の主な原因とされる。
小売セクターも引き続き停滞が予測されている。2025年には新規ショッピングモールの開業予定がなく、供給の増加は小規模にとどまる見込みである。
2024年末時点でプノンペンの総小売スペースは約75万㎡であり、2025年末には82万㎡、2026年末には90万㎡を超えるとされる。
しかし、小売賃料は2023年比で2.5%減少しており、さらなる下落が懸念されている。
これに対し、近隣市場のホーチミンやハノイでは小売価格が前年比15%以上の成長を見せており、プノンペンとの格差が広がっている。
一方、商業用不動産は2025年に供給が大幅に増加する見通しである。特にグレードAオフィススペースは、2024年の約8万㎡から28万㎡へと急増すると予測される。
これは2025年および2026年に完成予定の高層商業プロジェクト7件の影響によるものである。
区分所有型商業不動産の供給も増加し、低迷する住宅用コンドミニアム市場に代わる投資先として注目されている。
ただし、オフィス賃料は2021年比で約7%下落しており、地域市場での増加傾向とは対照的である。
産業用不動産セクターには明るい兆しが見られる。2024年の直接外国投資(FDI)の増加や貿易量の拡大が後押しとなり、2025年には堅調な成長が期待される。
CBREカンボジアのマーク・タウンゼント会長は「市場全体の成長は鈍化しているが、産業分野の需要増加はカンボジア経済にとってポジティブな兆候である」と述べている。
プノンペンの不動産市場は、依然として回復の兆しが限定的である一方、産業セクターを中心にセクター別の動向に明暗が分かれる状況が続いている。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。