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<写真:Khmer Times>
インドの中央計画機関であるNITIアーヨグが発表した最新の国際貿易・商業に関する報告書で、カンボジアが「チャイナプラスワン」戦略において大きな成功を収めている国の1つとして評価された。
報告書では、カンボジアが簡素化された税制、低関税、自由貿易協定(FTA)の積極的な締結、比較的安価な労働力といった強みを活かし、多国籍企業にとって有望な製造拠点となっている点が指摘されている。
近年、米国が中国製品に対する輸出規制や関税の引き上げを進めた結果、中国経済の技術進歩や成長が一定の制限を受けている。
この状況を受け、欧米諸国に起源を持つ多国籍企業は製造拠点の多様化を模索しており、カンボジアやベトナムといった東南アジア諸国がその代替地として注目を集めている。
報告書では「カンボジアはベトナムとともに、製造拠点の分散を図る企業にとって有力な選択肢となっている」と述べられる一方で、インドがこの機会を十分に活用できていない現状も強調された。
米中間の関税紛争を背景に、中国企業は関税リスクを回避するためカンボジアへの投資を増加させている。
カンボジア税関総局の発表によれば、2024年における同国の米国への輸出額は99億ドルに達し、前年同期比で11%の増加を記録した。また、米国との二国間貿易総額は101.8億ドルとなり、前年比11.2%の伸びを示している。
さらに、2023年9月から2024年9月までの外国直接投資(FDI)流入額は81億ドルに達し、経済財務省のデータによれば堅調な投資増加が続いている。このような投資の流入は、カンボジアが「チャイナプラスワン」戦略の主要な受益国であることを裏付けている。
カンボジア中国商工会副会長のヴィチェット・ロル氏は、同国が主要大国間の地政学的対立を慎重に調整しつつ、経済発展を推進していることを高く評価した。
ロル氏は「中国は世界の製造業の中心地であり、製造の約30%を担っているが、急成長に伴う賃金上昇や労働問題が、企業の製造拠点移転を後押ししている」と述べた。
また、カンボジアは2004年のWTO加盟以降、「投資法」や「税法」の整備を進め、国際貿易の規範に従いつつ経済の柔軟性と回復力を強化してきた。同国はコロナ禍以前の20年間、年間7%という高い経済成長率を維持しており、現在もFDIの増加を続けている。
「チャイナプラスワン」戦略の成功例として注目されるカンボジアの事例は、地政学的リスクが高まる中で、アジア諸国がいかに柔軟に適応し、成長の機会を掴むかを示すモデルケースとなる可能性がある。
※ポステオリジナルニュースは各ニュースソースを参考に編集・制作しています。