元国会議員暗殺事件、首相が政府関与を否定

元国会議員暗殺事件、首相が政府関与を否定
2025年01月22日(本日)00時00分 公開
元国会議員暗殺事件、首相が政府関与を否定

<写真:Khmer Times>

 

カンボジアのフン・マネット首相は、元野党議員リム・キムヤ氏がタイで殺害された事件に関連し、カンボジア政府が関与しているとの疑惑を強く否定した。

 

マネット首相はタイ警察が同事件の動機を「個人的な対立」と結論付けた点を挙げ、政府の関与を否定する根拠とした。

 

また、容疑者がカンボジアに逃亡した後、政府が迅速に逮捕しタイに送還した事実を強調し、カンボジア政府が正義のために積極的に行動したと述べた。

 

事件は1月7日に発生し、マネット首相は1月中旬にプサット州での「成果物落成式典」において初めて公式にコメントを発表した。

 

一部の海外野党政治家、特に元野党指導者サム・ランシー氏は、カンボジア政府と上院議長であるフン・セン氏を事件の黒幕と非難している。

 

これに対しマネット首相は、容疑者である元タイ海兵隊員エッカラック・ピアノイ氏をカンボジア警察が逮捕するとともに、タイに送還した行動を引き合いに出し、これらの批判を非論理的であると一蹴した。

 

マネット首相は「もし政府が黒幕であれば、容疑者を匿うことも可能であったはずである。タイに引き渡した事実こそが潔白を証明している」と強調した。また、事件に対する暴力行為を非難し、キムヤ氏の家族に対して哀悼の意を表明した。

 

タイ警察はカンボジア人リ・ラタナクラクスメイ容疑者(43)に逮捕状を発行した。同容疑者は「ソムワン」という偽名を使用し、キムヤ氏殺害の実行犯としてエッカラック氏を雇い、報酬として6万バーツを支払ったとされる。

 

また、インターポールは、事件の下見に関与したとされるピッチ・キムスリン容疑者(24)に国際手配書を発行している。

 

カンボジア警察の報道官は、タイ当局からこれらの容疑者に関する捜査協力の正式な要請はまだ受けていないと述べた。

 

しかし、マネット首相はタイ警察の捜査を支援する準備が整っていると表明し、両国の司法協力を進める姿勢を示した。

 

キムヤ氏はカンボジアとフランスの二重国籍を持つ人物であり、その遺体はフランス・パリ近郊に埋葬された。

 

米国、カナダ、オーストラリアをはじめとする各国で仏教儀式が行われ、多くのカンボジア人コミュニティが追悼に参加した。

 

この事件は、カンボジアとタイの司法協力を問う重要な試金石となっている。今後の捜査の進展と両国間の協力が、真相解明と国際社会からの信頼確立において注目される。

 

 

 

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